掲載日: 2022年2月16日
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「ワラ」「モミ」「ヌカ」など、稲の中で「米」以外の部分の利用法を教えてください。
参考書としては、江戸時代の農書に、「そもそも米に徳があることを世間の人は一応知っているが、どれほどのものなのかをはたして知っているだろうか」という書き出しで始まる『米徳糠藁籾用法教訓童子道知辺』があります。
『日本農書全集第62巻 農法普及2』に所収。農文協刊
これは、文久三年(1861年)に三浦直重が著したものです。寺子屋などで米の徳である「ヌカ」「ワラ」「モミ」の用い方を子どもに教えるときの教科書として使われていました。米を、精白した米だけでなく、「ワラ」「モミガラ」「ヌカ」といったものがいかにすぐれているか、食べ方、加工、暮らしへの利用が事細かに書かれています。もちろん、現代語に訳されており、訳文・注記・解題付きで誰でも読むことができます。
この本の中で、「ヌカ」については
などなどの活用法が説かれています。
「モミ」については
など、
「ワラ」については、
などの利用法が書かれています。
さて、現在の「モミ」「ワラ」「ヌカ」の利用法としては、
[モミ] 肥料・ニワトリのヒナの強化飼料 など
[ワラ] なわ・むしろ・たわら・家畜の飼料・肥料・建築資材・寝具・食品包装材・敷物・園芸資材 など
[ヌカ] 漬けもの用・野菜のあくぬき・ぬか袋(洗顔に使うと保湿効果があって肌によいほか、漆器や家具・柱のつや出し効果があります)・肥料
※ぬか油の加工品:
食用油・クリーム油・石鹸・グリセリン・頭髪油 など
他に「灰(はい)」があり、
[灰] 肥料・火鉢の灰・あくぬき など