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農業一口メモ

2024年6月28日 農作業中の熱中症予防

 日中の気温が高くなり、熱中症の発生が増えてくる時期になりました。熱中症予防は、日中の気温が高い時間帯を避けて農作業することが基本となりますが、この他に、対策を3つ紹介します。
 1つ目は、作業中の水分補給を欠かさず、こまめに休憩することです。のどが渇いていなくても、20分おきに毎回コップ1~2杯以上を目安に水分補給するとともに、塩分補給も時々行います。 
 2つ目は、熱中症予防グッズを活用することです。屋外では汗が素早く乾く素材の衣服と帽子の着用や、ファン付きウェア、また首などを冷やす冷却グッズを利用し、屋内ではエアコンや扇風機を活用しましょう。
 3つ目は、高温多湿の環境を避けることです。温度計や湿度計で作業環境を目で確認するとともに、日よけを設けるなど、できるだけ日陰で風通しを良くして作業しましょう。
 熱中症は、つらい暑さを感じなくても、知らず知らずのうちに症状が出る場合があります。なるべく2人以上で作業し、時間を決めて声をかけあったり、異常がないか確認しあうようにしましょう。暑さによる疲労や集中力低下に留意し、安全第一を心がけて農作業事故を防ぎましょう。

2024年6月27日 収入保険について

 農業経営収入保険は、平成31年1月から始まった保険制度です。保険期間において、ご自身が生産した農産物の販売収入が、基準収入の9割を下回った場合に、下回った額の9割を上限として補てんするものです。
 収入保険の最大の特徴は、経営努力では避けられないあらゆるリスクを補償の対象としていることです。自然災害による収量の減少だけでなく、市場価格の下落や、けがや病気により収穫作業ができないなどの場合も補償対象となります。
収入保険に加入するには、保険期間の前年1年分の青色申告実績があることが要件となります。まだ加入されていない方や、これから青色申告を目指している方は、ご自身の経営の万が一に備えて、収入保険の加入を検討されてみてはいかがでしょうか。
 詳しい内容につきましては、山形県農業共済組合の窓口へお問い合わせください。

2024年6月26日 家畜の暑さ対策の準備をしましょう

 夏の暑さは、私たち同様、家畜にとっても大きなストレスになります。
 例えば乳用牛は、4℃度から20℃が適温域とされており、25℃を超えると暑熱ストレスを感じ始めることから、畜舎内の温度が高くなると、牛の採食量の減少や乳量・受胎率が低下します。これらを防ぐためには、暑さを和らげて、家畜が健康で快適に過ごせる環境作りが大切です。本格的に暑くなる前に、早めに暑さ対策を始めましょう。
 暑さ対策は、畜舎環境と飼養管理の両面から行うと効果的です。まず、送風機や細霧装置を用いて、家畜の体感温度を下げることが重要です。また、遮熱の方法として、屋根に石灰資材を塗布することや軒下に寒冷紗を張ることで、直射日光を和らげます。
 飼養管理の対策としては、冷たく清潔な水を常に十分飲めるようにし、出来るだけ嗜好性(しこうせい)の良い良質な粗(そ)飼料(しりょう)を与え、食欲増進に努めます。
 様々な暑さ対策を組み合わせて、生産性の低下を防ぎましょう。

2024年6月25日 農産加工施設の衛生管理

 食品衛生法が改正され、令和3年6月から、農産加工を含む食品製造事業者はHACCPに沿った衛生管理が義務化されました。HACCPに対応するうえで重要なのは、普段実施している一般衛生管理です。作業従事者の健康状態・衛生管理、設備や器具、製造施設の衛生管理について問題がないかしっかり確認しましょう。
衛生管理の基本となるのは、「手洗い」と「5S」活動です。「5S」とは、「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」の5つを指します。まず、必要なものと不要なものとを仕分けして、不要なものを処分し整理します。必要なものは置く場所を決めて整頓し、誰でもわかるようにラベルを貼って表示します。ごみや汚れのないように清掃し、清潔な状態を保つようにします。最後に、これらをルール化し、いつ、だれが、何をどのように作業し、どこに記録するかを決めて、作業する人全員が守るように習慣化します。
 また、食品衛生法の改正により、令和6年6月から、漬物を製造し販売する場合は、漬物製造業の営業許可証が必要になりました。営業許可の相談は、最寄りの保健所までお願いします。

2024年6月24日 大豆の中耕培土と雑草対策

 中耕培土は、除草と倒伏防止を兼ねる、大豆の安定生産には欠かせない作業で、大豆の3葉期と6~7葉期の2回実施します。
 中耕培土を行うことで、土壌に酸素が供給され、根の発育が良くなり根粒菌の活性が高まります。その結果、養分吸収が多くなり、生育が見違えるほど良くなります。さらに、中耕培土でできた溝は、排水対策に大きな効果を発揮します。
 培土を行う際には、出来るだけ株元まで土を寄せることが重要です。1回目の培土は子葉節までの高さで軽く行い、2回目は初生葉節から第1葉までの高さで行います。なお、2回目に、尿素を成分とする緩効性肥料を10a当たり窒素成分で7~8kg施用すると、収量が向上します。
 一方、最近は、外来種である帰化アサガオ類など、防除が難しい雑草が増えています。通常の防除だけでは対応することが難しく、圃場にまん延して収量が減ってしまう事例も見られています。帰化アサガオ類が確認されている圃場では、土壌処理剤を確実に散布し、中耕培土をしっかり行うとともに、効果の高い茎葉処理剤を早めに散布しましょう。