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農業一口メモ

2024年12月13日 ロールベールサイレージの保管方法

 牧草や飼料用稲を収穫・乾燥後に円筒状に梱包したものを「ロールベール」と呼びます。これを、専用のフィルムで覆い、サイレージ化した「ロールベールサイレージ」として保管するのが主流となりました。
 この方法は、品質を維持したまま長期間保管することができますが、保管状態が悪いと、カビなどが発生し、給与出来なくなる場合があります。保管の際は、次の点に注意しましょう。
 まず、排水の良い平坦な場所で保管しましょう。保管の際は、横置きにすると変形しやすくなり、気密性が低下し、カビが発生しやすくなるので、縦置きにします。
 次に、鳥獣害対策を徹底しましょう。カラスなどの鳥害対策として、テグスや紐をロールの上に設置しましょう。また、ネズミなどによるフィルム破損を防止するため、ロールとロールの間を50cm以上離して間隔を空けるとともに、ロールの下に網目が一センチメートル以下の金網を敷くと効果的です。
 また、フィルムの破損があった場合は、粘着性の高いテープ等で速やかに補修しましょう。
 収穫した飼料を有効に活用し、飼料コストの低減を図りましょう。

2024年12月12日 加温さくらんぼ栽培のハウスの準備

 さくらんぼの加温ハウス栽培は、早い作型で12月下旬から加温を始めます。これから、ハウスの被覆と加温前の準備時期となりますが、燃油価格が高止まりしているので、省エネ対策を徹底して燃油消費量を抑え、生産コストの低減を図りましょう。
 初めに、暖房機の燃焼室やバーナーノズル等の点検と清掃を行います。燃焼効率向上と栽培期間中の故障やトラブルを防ぐために、必ず実施しましょう。その際、取扱い説明書をよく読んで行います。また、清掃後は異常がないか、試運転を忘れずに行いましょう。
 次に、ハウスの周囲や出入り口などの隙間とつなぎ目の点検・補修を行い、ハウスの気密性を高めます。
 さらに、サイドや褄面に内張りカーテンを設置し、保温性を高めます。内張りカーテンは、裾部分からの冷気の入り込みがないように長めに設置してください。
このほか、送風ダクトの配置や穴の開け方の見直し、循環扇の導入等を組み合せて暖房効率を高め、少しでも燃料が節約できるようにしておきましょう。

2024年12月11日 マメコバチの「繭洗浄」

 マメコバチは、さくらんぼなど果樹の受粉に大きな役割を果たしていますが、近年、果樹園での生息数が減っています。その原因の一つとして、コナダニなどの寄生虫の影響が考えられます。
 今回は、寄生虫の被害を軽減する「繭洗浄」について紹介します。
 「繭洗浄」は、マメコバチの繭を取り出して直接ダニを洗い落とす方法です。まず、巣箱の中の古いヨシ筒を縦に割って繭を取り出します。次に、取り出した繭をザルに入れて、冷水を掛け流しながらザルに軽くこすりつけるようにしてダニやゴミを洗い落とします。この時、塗装用のハケを使うと便利です。洗浄した繭は、新聞紙の上に広げて乾かし、紙箱などに移して、春まで冷蔵保存し、4月初旬頃に巣箱内に設置します。
 「繭洗浄」は、ハチが冬眠状態にある寒い時期に行う必要があるため、12月から翌年3月初め頃までに行います。また、「繭洗浄」を行っても、巣箱に古いヨシ筒があると、そこからダニが寄生しますので、ヨシ筒の交換も忘れずに行いましょう。

2024年12月10日 園芸施設共済に加入しましょう

 近年、豪雨や大雪、地震などの自然災害が頻発したり、激甚化したりしており、本県においても、冬期は突風や豪雪による園芸施設の被害が毎年発生しています。
 これからは、大雪によるパイプハウスの倒壊が心配されるため、雨よけ施設や冬期間栽培しないハウスでは、降雪前に被覆資材を除去しましょう。また、ハウス被覆資材に破損個所があると、雪が滑落しにくく着雪しやすくなるため、本格的な降雪時期に入る前に、補修しましょう。
 次に、気象災害のリスク回避のため園芸施設共済などの農業保険に加入し、「備えあれば憂いなし」の農業生産体制を構築することが重要です。
 園芸施設共済は、ハウス本体や被覆資材の他に冷暖房施設や換気施設などの附帯施設も加入でき、被覆していない期間の本体事故も補償対象になります。また、特約を付けることで一万円を超える小さな損害から補償されることに加えて、築年数にかかわらず新築時の資産価値まで補償を受けることができます。万が一の場合に備えて加入しましょう。
 園芸施設共済の具体的な内容やお申し込みはお近くの農業共済組合にお問い合わせ下さい。

2024年12月9日 家族経営協定

 家族経営協定は、農業経営の方針や農業における家族一人一人の役割などを家族で話し合い、文書化しておくものです。
 家族経営では、生活と経営の境目がなくなり、役割や就業条件が曖昧になりやすいため、経営効率の低下や家族内の対立の原因となることがあります。農業経営を魅力的でやりがいのあるものにするためには、家族内で一人一人が主体的に経営に参画でき、個人の能力を存分に発揮できる環境を整えることが重要です。
 これまでの調査結果によると、家族経営協定を締結したことで、「目標や役割分担が明確になり、仕事の効率化が図られ、各自が責任を持って仕事にあたっている」、「将来の農業経営について積極的に話し合うようになり、仕事でのコミュニケーションが増えた」などメリットが大きいとの声が聞かれます。
 家族間のルールを文書化して明確にすることで、5年先、10年先のビジョンが見通せ、これからすべきことを整理できます。一年の経営を振り返るこの時期に、作業分担や経営目標について、家庭における理想の暮らし方などについて、家族でじっくり話し合いを行いましょう。