閉じる

ホーム > 農業一口メモ

ここから本文です。

農業一口メモ

2025年6月3日 さくらんぼの盗難防止対策

 大切に栽培したさくらんぼを盗難被害から守るため、防犯対策のポイントについてお話しします。
 はじめに、収穫した果実の保管や園地内の管理方法についてのポイントです。収穫した果実は短時間でも園地に放置せず、ハウスや作業小屋の出入り口や窓は閉じて鍵をかけておきましょう。脚立やかごなどの道具はこまめに片付け、身内のスタッフと部外者が区別できるよう、目印となる帽子や服などを身に着けましょう。
 次に、園地への侵入防止対策のポイントです。園地の外周にネットや柵を設置して外部から侵入しにくい環境づくりをしましょう。また、防犯カメラやセンサーライトを設置したり、園地に「警戒中」「立入禁止」「防犯カメラ作動中」などの看板やのぼり旗を設置することも効果があります。
 最後に、地域の関係者が連携した取組についてです。生産者や農協、警察が連携して防犯パトロールを行い、周辺の不審者や不審車両の情報、盗難発生情報などを関係者間で共有しましょう。これらの対策を講じて盗難被害を未然に防ぎましょう。
 もし、不審者や不審車両を発見した時には、その場ですぐに110番通報してください。その際には、身長や着衣、車種や車の色、車両ナンバー、逃走方向などを記録するようにしてください。
 山形のさくらんぼを守るため、地域みんなで力を合わせて取り組んでいきましょう。

2025年6月2日 高温時のさくらんぼの収穫作業の進め方

 今年のさくらんぼの生育の進み具合は、平年並であり、現在、早生種の「紅さやか」の収穫期となっています。今後、主力の「佐藤錦」などの収穫期を迎えますが、今年の6月も高温の予報となっているため、ロスが出ないように、計画的に収穫を進めましょう。
 高温障害果は、樹の日当たりの良い外周部や上部で多くみられます。そのため、日当たりが良く熟度が進みやすい南面や西面の枝を優先して収穫しましょう。また、着果量が少ない樹や樹勢が弱い樹、過度な葉摘みをした樹では、果実の熟度が進みやすいため、もぎ遅れないように注意しましょう。
 高温障害果は、収穫期に最高気温が30℃を上回る日が連続した場合に発生しやすい傾向があります。天気予報をこまめに確認し、連続した高温が予想される場合には、収穫を早めるとともに、遮光や散水等の対策を実施しましょう。具体的な対策は、会員限定でやまがたアグリネットに掲載されている「さくらんぼ高温対策マニュアル」を参考にしてください。
 なお、高温時には、着色や食味よりも果肉の軟化が進みやすい傾向があります。高温時はもぎ遅れないように、出荷可能な品質になったものから早めに収穫しましょう。

2025年5月30日 農産加工現場における衛生管理

 5月が終わり、さらに気温が高くなる季節が訪れようとしています。細菌が原因の食中毒は、このような気温の高い時期に多く発生する傾向があります。
 夏場の農産加工現場で特に注意が必要な食品が、包装後に加熱殺菌をおこなわない浅漬けや惣菜などです。これらの食品で細菌の増殖による事故を起こさないために食中毒防止の三原則、細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」を徹底することが重要です。
 はじめに、細菌を「つけない」ことについては、正しく手を洗うとともに、加工原料をしっかり洗浄し、まな板や包丁などの調理器具は中性洗剤で洗い清潔を保ちましょう。
 2つ目に、細菌を「増やさない」については、商品の温度管理が重要です。細菌は、10℃~60℃の温度帯で増え、特に30℃~40℃で増殖が速くなります。加熱加工後の速やかな冷却や加工品を常温に放置しないことを徹底し、10℃以下での保存を心がけましょう。
 最後に、細菌を「やっつける」については、包装後加熱殺菌しない加工品の場合は特に気を付ける必要があります。原材料を洗う段階で、次亜塩素酸ナトリウムなどで殺菌し、調理器具は使用前後にアルコールなどの薬剤を用いて殺菌しましょう。
 これらの衛生管理は、計画や手順書を作成しルールを明確化しましょう。ルール通りに運用されているかは点検項目を決めて、作業のたびに記録を行います。さらに計画や手順書は定期的に内容を確認し、必要に応じて見直しをおこないましょう。

2025年5月29日 継続的な働き手の確保

 農繁期を迎えると、短期・長期を問わず、働き手を雇用する機会が多くなります。
 働き手の確保には、友人や知人からの紹介のほか、ハローワークやJAの無料職業紹介事業所、デイワークなどの雇用マッチングアプリを上手に活用しましょう。
 また、働き手に将来にわたって永く勤めてもらうためには、十分なコミュニケーションを取り、互いの信頼関係を築くことが大切です。こまめな声掛けやミーティング、個別の相談などを通じて、働き手にしっかりと寄り添うとともに、経営者としての感謝の気持ちも伝えることで、働き手の労働意欲も高まります。
 また、労働環境を整備することも大切です。勤務時間や休日は、働き手の家庭の事情にできるだけ配慮して調整し、そのほか清潔なトイレや休憩所の設置、労災保険への加入など、働き手が安心して働ける環境をしっかりと整えましょう。
 働き手としっかり信頼関係を築きながら、農繁期を乗り切っていきましょう。

2025年5月28日 東北農林専門職大学オープンキャンパスのお知らせ

 東北農林専門職大学は、優れた技術力と経営力、国際競争力を身につけ、農業・森林業のリーダーとなる人材を育成するために昨年4月に開学いたしました。学部は農林業経営学部があり、その中に農業経営学科と森林業経営学科の二つの学科があります。
 令和7年度、東北農林専門職大学では、オープンキャンパスを3回開催します。日程は、7月13日(日)、7月27日(日)、8月30日(土)です。オープンキャンパスでは、大学の教育内容の説明や校舎・施設など 学修環境の紹介、個別相談、実習体験等を行います。実習体験は、稲作、野菜・花き、果樹、畜産、森林の5つのコースを用意しております。昨年行ったオープンキャンパスでは、県外からも多数の高校生が参加し、大変好評でした。また、ランチは学生食堂を利用いただけます。参加ご希望の方は、東北農林専門職大学のホームページからお申込みください。高校生や保護者の皆様、先生方など、多くの方のお越しをお待ちしています。