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梅雨の時期は、カビや細菌による病気が発生しやすい時期です。雨の日が続くと病原菌が増えやすく、病気が多発する恐れがあるので、ポイントをおさえた防除を行うことが大切です。
また、梅雨の時期は、さくらんぼ灰星病、ももせん孔細菌病、りんご黒星病、西洋なし輪紋病、すいか炭そ病、ねぎ軟腐病など、直接減収につながる病気や、きゅうり褐斑病やべと病など、葉に発病して生育に悪影響を及ぼす病気が発生しやすくなります。圃場をよく観察して早期発見・早期防除に努めましょう。
なお、この時期は、連続した降雨により病原菌が短期間に増えやすい上、適期に防除できずに病気がまん延してしまうことがあります。防除予定日に雨が予想されている場合は、予定を前倒して降雨前に防除を実施します。また、雨が続く場合は、防除間隔を短くしたり、雨の合間を見て防除したりすることで病気の蔓延を防止します。
梅雨期の病気の防除は、その年の収量や品質を大きく左右します。天気予報をしっかりと確認し、柔軟に対応しながら適期に防除を実施しましょう。
本県では、秋の気温の低下が早い気象条件を活かしたストック栽培が盛んです。10月に出荷するストックの播種時期は、7月下旬頃が目安となります。
ストックの作付け前の今の時期には、雑草対策や、土壌病害対策のため、ハウスの土壌消毒を行います。土壌消毒には、農薬を用いる方法のほかに、アルコールや米ぬかなどの有機物を用いる土壌還元消毒法があります。どちらの方法も、土壌消毒に要する期間は3週間~4週間となります。このため、播種まで1か月ほど確保でき、地温が高くなる6月中下旬が、土壌消毒を始めるのに適しています。作業計画をしっかり立てて実施しましょう。
土壌消毒は、処理方法の誤りや処理ムラが生じると、効果が低下するだけでなく、ストックに生育障害を引き起こす場合があります。事前に作業方法をよく確認し、ムラが無く均一な処理となるよう、圃場の耕耘やビニール被覆等を丁寧に行いましょう。また、農薬を使用する際は、マスクを着用するなど、安全に十分配慮しましょう。
トマトは、最初の花が咲いた後、主枝から本葉と花房が規則的に発生し、本葉の付け根からは、わき芽が伸びてきます。栽培期間中、花房には3~5個の果実をつけて収穫し、わき芽はかき取りながら、主枝を伸ばして管理します。
5月初めに定植する夏秋栽培では、6月下旬になると6段目の花房の花が咲き始めて、1段目の果実の収穫時期となります。しかし、この頃から、主枝の先端が細くなり、花房が貧弱になる等、様々な生育の変化が見られるようになります。
これらの原因の一つは、草勢の低下によるもので、追肥を行い、草勢を維持することが重要です。追肥開始のタイミングは、3段目の花が咲き始める頃が一般的ですが、品種や草勢によっては、少し早めに施用する場合もあります。トマトは肥料に対して敏感に反応するため、一度に多量の追肥をすると、生育が旺盛になり過ぎ、茎の中心部が裂けて穴があくなどの障害が発生し易くなるので注意が必要です。追肥には液肥を使い、灌水と一緒に様子を見ながら、こまめに行いましょう。
県では、新規参入者やUターン者を含めた多様な人材による農業経営の継承をサポートするため、「元気な農業人材確保プロジェクト事業」を実施しています。
この事業では、農業に興味がある方、これから農業を始めたい方向けに、1週間程度から、最長6か月間の雇用契約を伴う農業体験を提供しています。体験者を受け入れる農家の方には、受入日数に応じて謝礼の支払いや体験者に支払う賃金等に対する支援を行います。
また、第三者への経営移譲を希望する農家向けには、経営移譲に必要な契約書の作成費用、資産の鑑定料等に対する支援を実施しています。
経営継承に関する相談窓口も開設していますので、お気軽に、山形県農業経営・就農支援センターのワンストップ窓口、電話023-641-1117にお問い合わせ下さい。
現在、さくらんぼは、収穫期を迎えています。
今年は気温が高い日が続いているため、果実の熟度が進んでいます。
収穫期に高温に遭った場合、ウルミ果や、果皮にツヤがなくなったり、果肉が褐変したりする高温障害果が発生しやすくなります。
高温障害などによるロスを軽減するためには、果実の熟度が進みやすい「樹の上部や枝先」などから優先的に収穫することが重要です。
これに加え、施設内の気温や果実の温度を下げるため、遮光資材の被覆、樹上からの散水又は灌水、反射シートの除去などが有効です。なお、灌水する際には、10a当たり1mm程度の少量とします。
高温少雨対策の詳細については、無料で登録できる「やまがたアグリネット」の会員になっていただくと、ホームページから「さくらんぼ高温対策マニュアル」を閲覧することができます。
疲れが溜まってくる時期となりますので、体調管理や熱中症に十分留意しながら、引き続き選果を徹底し、美味しい山形のさくらんぼを消費者の皆さんに届けましょう。