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春の農繁期を迎え、農業機械を使った作業がますます多くなります。県内では、毎年この時期に農作業中の事故が多発しています。事故防止のため、次の点に気をつけて作業を行いましょう。
まず、服装は作業しやすいものを着用し、作業の前後や作業中の整備・点検時は、必ず農業機械のエンジンを停止しましょう。
次に、死亡事故が最も多い機械の転落や転倒を防ぐため、圃場に出入りする際は、路肩の具合や傾斜、段差等の安全を確認し、無理をせず慎重にゆっくり操作しましょう。トラクターは、安全フレームを正しく装備し、シートベルトを必ず締めて、万が一、機械が転落、転倒したとしても下敷きになる痛ましい事故を防ぎましょう。
最後に、トラクターで路上を走行する際は、ブレーキペダルを連結するほか、夕暮れ時の視認性を高めるため、早めにライトを点灯するとともに、反射資材を利用しましょう。また、道路に泥などの汚れを残さないよう気を付けましょう。
果樹等においては、脚立を使った作業が増えています。最上段で作業しない、チェーンを掛ける等、基本を守って転倒や転落が無いよう作業を行いましょう。一人一人が安全作業を心がけ、家族や知人同士で「安全第一」の声がけをしながら、みんなで農作業事故を防ぎましょう。
昨年の「ももせん孔細菌病」は、春型枝病斑が例年よりかなり早い3月下旬から確認されました。この病気は耕種的防除と薬剤防除を組み合わせて対策を徹底することが重要です。薬剤防除に加え耕種的な対策を行い、せん孔細菌病の被害を防ぎましょう。
せん孔細菌病の病原は細菌です。細菌は雨等の水分で移動し、葉裏の気孔等の開口部や傷口から侵入して、葉や果実、枝に感染・発病します。風当たりの強い園地では、風雨で葉や果実、枝に傷が生じやすいため、発病が多くなる傾向が見られます。例年発生する園地では、防風ネットを設置して風当たりを弱くすることが重要です。
また、せん孔細菌病は、前年に感染した枝が開花期頃から発病し、葉に感染することで拡大します。このため、発病した枝を切り取って伝染源を減らすことがとても重要です。この春型枝病斑は例年4月下旬から7月上旬頃まで発生するので、見つけ次第、基部から切り取り、園地外に持ち出して適切に処分します。枝葉が繁茂してくると枝の病斑が見つけにくくなるため、早い時期から園地をよく見回り、伝染源の除去を徹底しましょう。
さくらんぼの結実は、開花期の天候に大きく影響されます。結実対策をしっかり行い、着果量を確保しましょう。
低温や強風など天候が悪い場合は、マメコバチやミツバチの活動が鈍くなります。毛ばたきによる人工受粉は、5分咲きと満開期の2回、必ず実施します。
また、早期落葉や凍霜害などの影響で、雌しべの枯死が多い園地では、さらに回数を多くし、丁寧に受粉します。満開を過ぎても、枝の下側等には開花の遅い花が多く残っています。枝の下側も丁寧に受粉し、しっかり結実させましょう。
さらに、開花期に乾燥が続く場合は、灌水を行い、湿度を保ちます。実止まりを確保し、果実肥大を促進するためには、開花後にも十分な土壌水分が必要ですので、乾燥が続く場合は積極的に灌水を行いましょう。
今年は山形県でさくらんぼの栽培が始まってから150年の節目の年です。山形のおいしいさくらんぼをしっかり成らせて、全国の消費者のみなさんにお届けしましょう。
山形県における昨年の水稲直播栽培面積は、2,656haで、そのうちの約7割が、鉄粉をコーティングした種籾を播種する「鉄コーティング直播栽培」となっています。
「鉄コーティング直播栽培」では代かきした水田に播種しますが、種籾が土の中に潜ってしまうと発芽しにくくなるので、圃場の均平に注意し、代かき後に土を落ち着かせた状態で土壌表面に播種することがポイントです。土壌の硬さの目安は、1mの高さからゴルフボールを落として、土中にボールが1cmから半分が埋まる程度です。
種籾は塩水選と種子消毒の後、12℃~15℃の水に4日~5日間漬けてから水を切り、鉄粉をコーティングします。コーティング後は鉄が酸化して発熱するので、発芽率が低下しないよう薄く広げる等、放熱しながら乾燥します。播種前には、種籾の発芽率を確認してから播種しましょう。
直播栽培は苗立ち本数が収穫量に大きく影響します。播種時期や圃場の状態、気象情報等を十分検討して適期に播種し、目標とする1㎡当たり100本以上の苗立ち数をしっかり確保しましょう。
今年も家庭菜園を始める時期を迎えました。家庭菜園の第一歩は畑の土づくりです。今日は、家庭菜園の土づくりのポイントを3つ紹介します。
1つ目は有機物の施用です。堆肥や腐葉土などの有機物を1㎡あたり2~3kgを均一にまき、スコップや鍬でよく混ぜ合わせます。
2つ目は土の酸度調整です。多くの野菜はpH6~6.5の弱酸性が適していますが、畑の土の多くは、pH5~5.5の酸性となっています。このため、苦土石灰などの石灰資材を施用し、pHの調整を行ってから、植え付けを行いましょう。
3つ目は肥料です。家庭菜園のような小面積の畑では、肥料を多くやりがちで、土に肥料成分が必要以上に蓄積している畑が多く見られます。なるべく基肥は少なめにして、生育を見ながら、少しずつ肥料を与えるようにしましょう。
次回の家庭菜園に関する一口メモは、「植え付け時のポイント」について、5月に放送予定です。