閉じる

ホーム > 農業一口メモ

ここから本文です。

農業一口メモ

2025年2月13日 農産加工における一般衛生管理

 食中毒の発生を始めとする食品事故は、人の生命を脅かす重大事故につながる場合もあります。安全な食品を作り、消費者からの信頼を得るためには、まず第一に一般衛生管理が重要になります。一般衛生管理は、例えば、作業従事者の健康チェックや加工施設内外の清掃、冷蔵庫の温度管理など、日々当たり前に行う衛生管理のことです。
 基本となるのは、「5S」です。「5S」とは、「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」の5つを指し、この順序で取り組むことが大切です。はじめに、必要なものと不要なものとを仕分け、不要なものを処分しましょう。次に、必要なものを置く場所を決めて整頓し、ラベルを貼って誰でもわかるように表示します。そのあとは、ごみや汚れのないように清掃し、清潔な状態を保つようにします。最後に、「しつけ」として、これらをルール化し、いつ、だれが、何をどのように作業し、どこに記録するかを決めて、作業する人全員が守るようにします。
 一般衛生管理は、安全な農産加工品を提供するための土台です。「5S」の視点でルールをしっかり確認し、取り組むことが大切です。

2025年2月12日 フェロモン剤利用による害虫防除

 今日は、環境負荷が小さい防除資材であるフェロモン剤について紹介します。
 フェロモンとは、生物が放出する化学物質で、昆虫では、交尾行動に関係する性フェロモンや、集合行動に関係する集合フェロモンなどが知られています。
 農業分野では、雌が雄を誘引する性フェロモンの成分を化学的に合成した資材が販売されており、主に「害虫防除用の交信かく乱剤」として利用されています。
 交信かく乱剤は、雌が出す性フェロモンと同じ成分を畑に充満させて、雄が雌を探せなくします。そうすることで交尾する雌を減らし、産卵数を減らして次世代の害虫の発生を少なくするものです。県内では主にモモやナシ等の果樹園でシンクイムシ類やコスカシバの防除に利用されています。
 また、野菜や花などの圃場や施設向けの交信かく乱剤も開発され、コナガやオオタバコガなどのチョウ目害虫の防除に利用されています。
 これらの交信かく乱剤は、農薬取締法に基づく農薬として登録されていますので、使用基準を守って適切に使用して下さい。

2025年2月11日 農業用ハウスの雪害防止

 例年、2月中旬には積雪が少なくなり、春が迫っていることを感じられるようになります。しかし、2月中旬から下旬にかけては、農業用ハウスが大雪や強風の被害を受けることが多く、もうしばらくは大雪や強風への警戒が必要です。
 農業用ハウスでは、ハウスサイドに滑り落ちた雪が積み上がり、ハウスの肩まで達すると、その重みで倒壊しやすくなります。そのため、ハウスサイドの除雪はこまめに行い、屋根の雪が落ちるスペースを十分に確保しておきましょう。
 また、屋根に積もった雪は積もったままにせず、なるべく早く滑り落ちるようにします。暖房機があるハウスでは内張の天カーテンを開放して暖房し、雪を融かして滑り落とします。暖房機を設置していないハウスには、ストーブなどの補助暖房機を持ち込み、ハウス内の気温を上げましょう。屋根の雪を放置しておくと、被覆資材が雪の重みでたるんでしまい、雪が滑り落ちにくくなります。特に「農ビ」はたるみやすい資材なので、優先して屋根に積もった雪を落としましょう。
 除雪機を使った作業は一歩間違うと命に係わる事故につながります。除雪機を点検する際は、面倒でも必ずエンジンを止めるなど、安全確保に十分気を配って除雪を行ってください。

2025年2月10日 たらの芽の促成管理のポイント

 促成栽培で生産されるたらの芽の出荷が、まもなく最盛期を迎えます。本県は、たらの芽の全国一の産地であり、県外の消費者からも高い評価を得ています。今回は高品質出荷に向けて、今後の管理のポイントを紹介します。
 1つ目は、温度管理の徹底です。促成ベッド内の温度は芽揃いまで20℃、その後は15℃を目安に管理します。促成ベッド内の温度が高くなると腐敗の発生が多くなるため、こまめに温度を確認しましょう。
 2つ目は、換気の徹底です。促成時は過湿によってカビが多発する場合があります。換気は1日1回、駒木の切り口がほぼ乾燥状態になるように、トンネルサイドの開放を行いましょう。
 最後になりますが、出荷期の後半は芽の傷みや腐敗の発生が多くなります。こまめにトンネル内を観察し、カビや腐敗のある駒木は早めに取り除きましょう。また、パック詰めを行う際には、傷みや腐敗が含まれないように選別を徹底し、高品質出荷に努めましょう。

2025年2月7日 山形県ベストアグリ賞受賞者の紹介

 県では、地域の特徴を活かし、先駆的で優れた農業経営に取り組む農業者や団体を称えるため「山形県ベストアグリ賞事業」を実施しており、今年度は、8つの個人・団体が県知事賞となるベストアグリ賞を受賞しました。
 今回は、併せて農林水産大臣賞、東北農政局長賞を受賞された方々をご紹介します。
 まず、農林水産大臣賞を受賞したのは鶴岡市の「株式会社 治五左衛門」です。「だだちゃ豆」の徹底した栽培管理で、良食味と高収量を両立するとともに、培った営業スキルで、高い直接販売率と高単価を実現しています。また、県の外国人材活用トライアル事業を活用し、多様な担い手の導入にも取り組んでいます。
 次に、東北農政局長賞を受賞したのは上山市の「株式会社 うばふところ」です。市場ニーズに応える栽培品目の導入で、周年農業を実現し売上が拡大しています。また、通年雇用が可能になったことで、繁忙期であっても正社員やパート従業員を安定的に雇用でき、働き手不足を解消しています。
 なお、各受賞者の取組内容は、県ホームページと県農業情報サイト「やまがたアグリネット」で紹介していますので、ぜひご覧ください。