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農業一口メモ

2024年3月18日 りんごの黒星病対策

 昨年のりんご黒星病は、果実の被害は少なく抑えられましたが、秋に葉の発病がやや増加した園地が見られたことから、越冬菌の密度が高まっていると見込まれます。今年も春先からの防除対策を徹底しましょう。
 黒星病の主な伝染源は前年の被害落葉で、早い場合は発芽期にあたる3月下旬頃から胞子が風雨によって飛散し、新しく出てきた葉に感染します。そのため、発芽期以降は薬剤防除を徹底し、感染を防ぎましょう。
 薬剤防除のポイントは次の3つです。
 1つ目は、防除適期を逃さず実施することです。特に重点防除時期となる展葉期から7月下旬までは、散布間隔を10日以上開けないことが重要です。
 2つ目は、降雨の前に予防的に薬剤散布を実施することです。黒星病菌は降雨があると感染するため、その前に葉を保護する必要があります。
 3つ目は、散布ムラをなくすことです。薬剤がかかりやすい春先でも十分な薬液量を散布し、確実に葉に薬液を付着させましょう。樹冠内部まで薬液がかかりやすくなるような整枝剪定も重要です。りんご黒星病の発生を防ぐため、総合的な防除対策に取り組みましょう。

2024年3月15日 麦の排水対策と追肥

 麦の収量を高めるためには、融雪後の生育量を確保する必要があります。麦は湿害に弱い作物なので、圃場の見回りを行い、融雪水が圃場に停滞していないか確認しましょう。また、排水溝や明きょを補修し、排水対策を徹底しましょう。
 古くから、「稲は地力でとり、麦は肥料でとる」と言われているように、麦の栽培にとって、追肥は極めて重要な技術です。特に、融雪後の追肥は、生育や収量に影響するので遅れずに実施しましょう。追肥の適期は、幼穂の大きさが1mm程度になった時期で、節間伸長が始まる前に終えます。例年は、3月下旬~4月上旬頃ですが、麦の生育を十分確認して遅れないように実施しましょう。
 追肥量は、大麦、小麦ともに窒素成分で10a当たり4㎏を基本とします。なお、播種時期が遅れた等の影響で生育量が少ない場合は、追肥量を多くし、10a当たり6㎏を目安とします。
 適切な排水対策と追肥を行い、麦の収量・品質の向上に努めましょう。

2024年3月14日 「働きながら学ぶ農業入門講座」受講生募集のお知らせ

 山形県立農林大学校では、令和6年度「働きながら学ぶ農業入門講座」の受講生を募集しています。
 この講座は、農業以外の仕事に従事しながら就農を目指す方や就農間もない方を対象に農業の基礎を学んでもらうもので、「稲作」、「果樹」、「野菜」の3コースを設定しています。各コースでは、4月から12月までに7回の講座を予定しており、栽培管理や結実管理など各作物の基礎技術を学びます。
 現在働いている人が参加しやすいよう、平日の夜の座学を中心に、日曜日の日中の現地講座を設定しています。また、オンラインでの受講も可能です。
 受講は無料ですが、事前の申込みが必要となります。現在、申込みを受付けしており、締め切りは3月27日(水)です。詳しくは本サイト又は農林大学校ホームページをご覧いただくか、県立農林大学校研修部(0233-22-8794)までお問い合せください。

2024年3月13日 牧草地の管理

 牧草地は利用形態の違いから、採草利用と放牧利用に区別され、その管理方法も異なります。
 採草利用では、収量を確保することが重要です。牧草は、春に「スプリングフラッシュ」と呼ばれる急激な生育を示しますが、採草利用の場合は、この性質を利用し、年間の収量が最大となるように融雪後速やかに施肥を行います。具体的には、三回刈りの場合、早春に年間施肥量の50%を、一番草の刈取り後に30%、二番草の刈取り後に残りの20%を施用します。
 一方、放牧利用では、放牧期間を通して安定した草量が確保できるように管理する必要があります。具体的には、牧草地の一部を採草利用することで、生育が一定になるようにコントロールしましょう。そして、施肥する場合は、春の急激な生育を抑えるため、早春に年間施肥量の20%を、6月下旬に40%、8月下旬に残りの40%を施用します。なお、放牧開始が遅くなる場合は、6月上旬と8月下旬に50%ずつ施用しましょう。
 また、苦土石灰などの土壌改良資材は、ミネラルバランスを考慮し、早春もしくは晩秋に施用するなど、牧草地の利用目的に応じて、適切に管理しましょう。

2024年3月12日 「低温アラート」のご紹介

 「低温アラート」は凍霜害対策支援ツールで、本サイトの会員サービスの一つです。  
 これは、県内約50地点に設置した気象センサーと連携し、観測した気温データを低温のアラート情報としてメールでお知らせするもので、今年は3月中旬から運用を開始する予定です。
 本サイトの会員は、トップページ下部の「低温アラート」のアイコンから、このサービスを利用することができます。
 使い方は、気象センサーの観測地点を選択し、アラートメールを受け取る温度を設定するだけで、選択した観測地点の温度が設定した温度を下回ると、それをお知らせするメールを受け取ることができます。
 本サイトは、県内在住の農業者または農業関係者の方であれば、どなたでも無料で会員になることができます。会員登録後は、ぜひ「低温アラート」に登録いただき、さくらんぼやりんごなどの凍霜害対策にご活用ください。