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春の農作業が始まる時期となりました。毎年春の農繁期に、農業機械を使用した作業中の重大事故や死亡事故が多く発生しています。作業開始前には安全確認を徹底する等、農作業の事故防止に努めましょう。
はじめに、作業は適切な装備と服装で、機械の取扱方法を守って行いましょう。整備・点検、ちょっとした確認時のエンジン停止やトラクターで路上を走行する際のブレーキペダルの連結など、基本的な注意点を確認し、事故を未然に防ぐ事が大切です。
次に、トラクターの転落や転倒による事故を防ぐため、圃場に出入りする時は、路肩の具合や傾斜、段差等を事前に確認し、慎重に運転します。後ろ向きの作業は特に気をつけましょう。また、万が一の転落に備え、トラクターには、安全フレームなどの装備を正しく装着し、ヘルメットの着用やシートベルトをしっかりと締めましょう。いざというときに、日頃からの心がけがあなたの命を守ります。
体調管理も含めて一人一人が油断せず作業の安全を心がけ、農作業事故を防止しましょう。
啓翁桜は、例年「染井吉野」よりも、少し早く開花します。啓翁桜の重要病害である幼果菌核病の防除適期は、開花始めから満開ごろまでです。適期に防除できるよう、生育や開花状況をよく観察し、遅れることのないように防除の準備を進めましょう。また、雨が降って防除できないこともありますので、ゆとりを持って日程を確保しましょう。
幼果菌核病を発病した葉や実は、多くが秋までに落下し、付着している病原菌は地上で越冬します。越冬した菌は、春にお椀状のキノコとなり、この中に作られた胞子が空中に飛散することで、幼果菌核病に感染すると言われています。そのため、耕種的防除として、地表面を耕耘する方法があります。この方法は、前年に発病して、地上に落下した葉や実をすき込むことができ、地表面の乾燥を促すことができるため、効果的です。
薬剤防除と耕種的防除を組み合わせて、対策を徹底しましょう。
農産加工事業者の皆さん、食品表示は正しく行っていますか?食品の表示は、消費者が食品を選ぶ際の大切な情報源です。食品表示法で定められた表示基準を遵守して正しく記載しましょう。
ラベルの表示間違いによる食品の自主回収事例で特に多いのは、賞味期限などの日付間違いや、アレルギー症状を引き起こす原因物質「アレルゲン」の記載漏れです。とりわけ、食物アレルギーは、重篤な症状の場合は生命に関わるため、万全の注意を払う必要があります。表示が義務づけられているのは、えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生の7品目です。原材料はもちろんのこと、醤油の小麦など、調味料や食品添加物の原材料にアレルゲンが含まれることもあります。使用する原材料の商品規格書を取り寄せるなどしてしっかり確認し、アレルゲンの記載漏れがないようにしましょう。
表示ラベルの記載に誤りがないか、製造者はもちろんのこと、直売所など販売先での最終チェックも重要です。県のホームページに「直売所のための食品表示ハンドブック」が掲載されていますので、参考にしながら、再度確認を行いましょう。
県では、「総称山形牛」のブランド力向上と県内肉用牛経営の安定化を図るため、遺伝的に能力が高い雄牛と雌牛を計画的に交配し、優秀な種雄牛を造成しています。
初めに、令和6年9月にデビューした「丸藤3」号を紹介します。「丸藤3」号は、父が産肉能力の高い藤良系種雄牛「福之姫」号で、歴代県産種雄牛の検定成績において、枝肉重量、ロース芯面積、枝肉から商品となる牛肉が、どれくらい得られるかを示す歩留基準値が歴代1位であり、バラの厚さ、上物率、口どけの良さを表す一価不飽和脂肪酸割合が歴代1位タイと、非常に能力の高い種雄牛です。
次に紹介する「福秀165」号は、肉質の評価が高い県産種雄牛の「安秀165」号を父に持つ、但馬系の種雄牛で、歩留基準値が優れる種雄牛です。
また、脂肪交雑に優れる「美勝喜」号、脂肪交雑と脂肪の質に優れる「幸紀陸」号、質と量を兼ね備えた「美結喜」号、脂肪の口どけの良さが期待できる「福福照」号がおりますので、御活用ください。
なお、県産種雄牛の凍結精液の購入については、山形県家畜改良協会へお問い合わせください。
近年は、春先の気温の変動が大きく、年によって生育が大幅に早まったり、逆に遅れたりと、計画的な作業が難しくなる場合があります。剪定作業は計画的に進め、防霜対策や摘芽、休眠期防除等の春作業に支障が出ないように心がけましょう。
果樹は、春に芽が動き出すと、低温に対する耐性が弱くなります。さくらんぼでは発芽10日後頃から危険な生育ステージとなるため、凍霜害対策を実施します。
近年は温暖化の影響で3月の気温が高まっており、さくらんぼの発芽も早まっています。今年は3月になってから高温で経過しているため、今後、さくらんぼの生育が進むことが想定されます。計画的に剪定作業を進め、防霜資材を急いで準備しましょう。
また、令和3年は強い霜で甚大な被害が発生しました。防霜対策に当たっては、十分な効果が得られるように、追加の燃焼資材も含め、万全に準備しましょう。