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ミツバチは、メロンやさくらんぼ等の花粉交配に利用され、園芸作物の安定生産には欠くことができません。ミツバチは巣箱の設置場所を中心に、蜜や花粉のある植物を求めて広範囲に活動します。そして、稲の花が咲くこれからの時期は、活動が盛んな午前中に、水田に飛来することも多くあります。
一方で、稲の花が咲く出穂期は、「斑点米カメムシ類」の防除時期となります。殺虫剤によるミツバチへの被害が発生しないよう、防除が始まるまでに防除実施者と養蜂家は連絡を取り合って、防除予定区域や巣箱の設置状況を必ず確認しておきましょう。
両者が連携を密にして十分に話し合い、防除実施者は防除時期や防除時間帯に配慮する、養蜂家は巣箱の設置場所を移動するなどの対応を徹底し、ミツバチへの危害防止に努めましょう。
梅雨明け後のような、高温・乾燥の環境では、植物は葉っぱの気孔を閉じてしまい、二酸化炭素の吸収量が減少します。すると、天気が良くて光が有っても、光合成が十分に行われず、作物の生育が悪くなってしまいます。
そこで、水が霧状になった「ミスト」を噴霧すると、ハウス内の湿度が高まり、気孔が開いて光合成がスムーズに行われます。さらに、水が蒸発するときの気化熱で、施設内や植物の温度を下げる効果も有ります。
栽培ハウスで、適切なミスト噴霧を行うには、晴天時は噴霧し、曇天や雨天の時は止めるメリハリある管理を行う必要があります。また、作物が長時間濡れると病害発生が懸念されることから、ミスト噴霧の時間や間隔、夕方の終了時刻の設定は、作物の濡れ方を見ながら調節が必要です。
ミスト噴霧の設定は、空気中にあとどのくらいの水を含むことができるかを示す、「飽差」という乾燥程度を表す数値に基づいて行う方法があります。施設内を最適な飽差になるよう管理する技術は「飽差制御」と呼ばれ、県内では、施設園芸品目のトマトやホウレンソウ、アルストロメリアでの研究事例がありますので、詳しい設置や設定方法は最寄りの農業技術普及課へお問い合わせください。
今日は、梅雨から初夏にかけての、飼料作物栽培管理における留意点を説明します。
初めに、牧草の収穫作業についてです。春に行う牧草の収穫に続き、この時期は二番草の収穫を行います。二番草は草丈60~80cmを目安に収穫しますが、夏季の高温・干ばつは夏枯れを助長するため、草丈が短くても、やや早めに刈り取るよう心がけましょう。また、収穫の際は刈取高を高くして、貯蔵養分の消耗を軽減し、草勢の維持に努めましょう。
次に、飼料用トウモロコシの管理です。長雨、豪雨などにより圃場内に水が溜まり続けると、湿害が発生する恐れがあります。湿害を受けた場合は、圃場表面に停滞した水を排水した後、できるだけ早く窒素成分で10aあたり5kg程度を施用すると生育の回復に効果があります。
最後に、ホールクロップサイレージ用稲の管理です。収穫時期に圃場が柔らかいと機械の作業性が悪くなるほか、泥の混入により、サイレージの品質が低下する恐れもあります。収穫時期に応じて早めに落水管理を行い、地耐力を高めておきましょう。
5月上中旬頃に定植した夏秋トマトは、収穫の最盛期を迎えています。昨年は、夏の高温の影響で、着果不良や障害果が多く発生しました。トマトは夏の暑さで草勢が弱りやすいため、温度管理に加え、灌水と肥培管理、株の管理が重要となります。
初めに温度管理です。この時期に着果を安定させ、空洞果の発生を防止するには、ハウス内の気温を上げないことが重要です。ハウスの側面に加え、妻面のビニールを開放して換気を十分に行いましょう。また、換気扇や農業用の循環扇を活用すると、さらに効果が高まります。
次に灌水と肥培管理です。一日の灌水量は、晴天日で1株当たり2~3L程度、曇天の場合、その3分の2程度を目安にしましょう。追肥は、液肥を使って灌水と一緒に行うと効果的です。この場合、液肥は数回に分けて与えましょう。
最後に株の管理です。株の下の古くなった葉を摘み取って、風通しを良くすることで、病害虫が発生しにくい環境にします。また、長期どり栽培で行う「つる下げ」は、トマトに与えるストレスが大きいので、一度に大きく主枝を下げず、3回程度に分けて少しずつ下げるようにしましょう。
山形農林大学校では、入校を希望する高校生やその保護者、高校の先生などを対象とした「オープンキャンパス」を開催します。
「オープンキャンパス」では、在校生との体験実習、学校施設の見学、教育内容や募集要項の説明等を行い、農林大学校への理解を深めていただきます。
体験実習では、稲作・果樹・野菜・花き・畜産・農産加工・林業のうち、二つの実習を体験することができます。内容は、農作物の栽培管理や収穫作業、花束づくり、牛の世話、加工施設の見学、高性能林業機械の実演などを予定しています。
また、施設見学では、新校舎や学生寮の見学の他、学生寮での食事も体験していただきます。
次回の開催は、7月26日(土)です。
「オープンキャンパス」の詳しい内容をお知りになりたい方は、農林大学校のホームページをご覧いただくか、電話0233-22-1528、教務学生担当まで、お問い合わせください。