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本県が日本一の生産量を誇る「啓翁桜」は、ソメイヨシノなどと同様に、春に花を咲かせます。この開花時期を、本県が開発した促成技術を活用して早めることで、12月中旬からの切り枝出荷が可能となり、近年は、正月に飾る花として定着しています。
そこで、今回は、先月紹介した「年末出荷に向けた「啓翁桜」の休眠打破処理」に続き、その後の促成管理方法について採り上げます。
休眠打破処理が終わった枝は、促成室に入れて、基部を10~15cm水に浸けた状態で三週間程度促成することで、芽が動き出荷できるようになります。
促成期間中は、水の交換を一週間に一回から二回程度行い、適宜、枝基部の切り戻しを行いましょう。なお、促成中の生け水に枝物用品質保持剤を加えると、水交換を省略でき、花色は濃くなり、花弁の開きも良くなります。
また、高い温度で促成すると花色が薄くなり、品質が低下するので、夜は13℃、昼は20℃を目標に管理します。より花色を濃くするためには、蕾の先端が十字に割れ始めてきたら、夜温を下げ、8℃から10℃前後とし、日中は、室温に気を付けながら光を十分に当てます。
こうした管理とともに、徹底した選別を行うことで、花色が濃く開花が揃った高品質な「啓翁桜」を全国の消費者に届けましょう。
山形県には、美味しいお肉が沢山ありますので御紹介します。
まずトップバッターは牛肉、「総称山形牛」です。「総称山形牛」は、甘みがあり、かつ質の良い脂身と、旨味の多い赤身がバランスよく入った、きめ細やかなサシが特徴です。また、不飽和脂肪酸の割合が高い脂身は、融点が低いため、口の中に入った途端に溶け出し、脂身の甘味と赤身の旨味が広がり、大変美味しいと評価されています。
次は、豚肉です。山形県にはいろいろな銘柄豚があります。県内各地の生産者が高品質で美味しい豚肉を作るため、品種の組合せやエサなどに工夫を凝らし、銘柄豚を生産しています。それぞれの銘柄豚毎に独自のおいしさがありますので、是非、食べ比べてみてはいかがでしょうか。
最後は鶏肉です。「やまがた地鶏」は、赤笹シャモと名古屋種をかけ合わせて生まれた交雑種を父として、横斑プリマスロックを母として生まれた肉用の地鶏です。それぞれの品種の特長を受継ぎ、コクと適度な歯応え、そして旨味に優れているのが特長です。
県産の美味しいお肉を、色々なお料理で、そしてお店や御家庭で御賞味ください。
センサーやロボット技術を活用し、少ない労力で高い生産性を実現するスマート農業の取組のうち、今日はきゅうりのハウス栽培での活用を紹介します。
ハウス内の環境をきゅうり栽培に適した管理とすることが重要です。そこで、これまでの経験による管理だけでなく、センサーを設置して、ハウスの温度や湿度、CO2濃度などを計測し、スマートフォンなどでリアルタイムに確認することで、データに基づいた栽培管理ができるシステムの実証に取り組んでいます。
この取組を通じて、若手農業者が技術レベルの高いベテラン農業者等の管理するハウスの環境データを参考に、栽培管理を工夫するようになり、きゅうりの収穫量をベテラン農業者に近づけるなど、きゅうり生産部会全体として、高品質・高収量になるように、めざしています。
「公益財団法人やまがた農業支援センター」は、農作業の効率化や農業の生産性向上を図るため、市町村、農業委員会などと連携しながら「農地バンク事業」に取り組んでいます。
「農地バンク事業」は、離農したり規模を縮小する農家の農地を借り入れて、「人・農地プラン」に定めた地域の担い手などの農家や法人に対して農地を貸し出すもので、これまで延べ20,600ha余りの農地を取り扱ってきました。
今後も引き続き、農地バンクによる農地の集積・集約化等を推進していきます。
さて、市町村では現在、地域の農地利用の姿を目標地図として明確化し、将来に向けた地域計画を策定するため、農業者などによる話し合いを進めています。
ぜひ、話し合いに参加していただくとともに、経営規模拡大のため農地を借りたい方、農作業効率化のため分散している農地をまとめたい方は、最寄りの市町村や農業委員会、または、公益財団法人やまがた農業支援センター(電話023-631-0697)にお気軽にお問い合わせください。
本県が日本一の生産量を誇る「啓翁桜」は、正月用の花材として、年末から正月にかけての需要が特に高い品目です。
「啓翁桜」を一斉に美しく咲かせるためには、休眠状態に入った花芽を、8℃以下の低温に一定期間遭遇させて、休眠から覚醒させた後に促成する必要があります。しかし、県内の自然条件で十分な低温に遭遇する時期は12月下旬頃であるため、その後の促成に約3週間かかることから、年末の出荷には間に合わなくなってしまいます。このため、低温に遭遇する期間が短くても開花するよう、11月末から12月上旬に休眠打破処理を行います。
一般的な休眠打破処理方法は、8℃以下の低温に500時間から800時間遭遇した切り枝を、40℃のお湯に60分間浸漬してから、植物成長調整剤であるシアナミドまたはジベレリンの薬剤処理を行うというものです。
休眠打破処理の詳しい方法や、地域ごとの低温遭遇時間については、最寄りの農業技術普及課にお問い合わせください。