掲載日: 2022年2月16日
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お米は、なぜ、「とぎじる」が出るんですか。教えてください。
ごはんをたく前に米をとぎ洗いするのはなぜでしょうか。
げんまいを精米して白米にしますが、白米の表面には多くの「ヌカ(=茶色のげんまいが着ていた服のようなもの)」がついています。ほとんどは、精米の時になくなるのですが、少しは米の表面にのこってしまいます。
ヌカがのこっていると、ごはんをたいた時に変なにおいがするので、米の表面についているヌカを洗い落とすためにお米をとぎ洗いしているわけです。
1合(150グラム)の米から、スプーン大さじ一杯のヌカが出ます。1日で1人が食べるごはんの量を平均約200gと考えた場合、出るヌカは全国で1000トン、つまりダンプカー100台分もの量になります。
また、「とぎじる」から出るヌカの量は全国で年間約40万トンになります。
川などを汚染する原因になる排水は70%くらいが家庭から出る排水だといわれています。家庭から出る排水のうちで、いちばん量が多いのは米のとぎじるです。とぎじるにはリンやチッソなどの栄養素が多く入っています。これらの汚染物は通常の下水処理施設では処理しきれず、海へ流れて赤潮やアオコなどの発生原因になってしまうのです。
しかし、今は、米の面倒なとぎ洗いをしなくてもよい「無洗米(むせんまい)」というものがあります。この米は、精米するときにヌカをきれいに全部とる特別なやり方をしているので、白米の表面にヌカがのこらない米です。
無洗米は、とぎ洗いが必要ない、衛生的できれいな米です。袋から米を出して、水を入れて、すぐにごはんをたくことができます。
とったヌカは川に流れると環境汚染の原因ですが、使いようによっては栄養の宝庫です。無洗米ができるときにとれたヌカを家庭菜園など園芸の肥料として売られています。ヌカは土の改良や植物の生育にも役立ちます。