掲載日: 2022年2月16日
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「たい肥」ってなんですか?「化学肥料」と、どこがちがうのですか?
まず、肥料の原料と作り方がちがいます。それに、原料と作り方がちがうので、売るときの値段もちがってきます。
「化学肥料」は、工場で、「チッソ」とか「リン」などの成分を理科の実験のようにして、短い時間でどんどんと、たくさんの量を作ります。かんたんに、たくさんの量が作れますから、値段が安くなります。また、質が同じ肥料が、ほしい人にはほしいだけ、いつでも売ることができます。
その点、「たい肥」は、イネのワラなどを材料にして、積み重ね、時間をかけてよく「はっこう」させて、土の中の「び生物」の栄養になるようにします。しっかりと「はっこう」させれば、ヘンなにおいなどはなくなり、とても栄養分が豊かな肥料ができます。
ウシやブタのふんやおしっこを材料に「たい肥」と同じようなものを作りますが、これは「きゅう肥」といわれます。「たい肥」「きゅう肥」ともに時間をかけてゆっくりくさったものは、自然にある土と同じようになるので、においも少なくなり、肥料に使えるようになります。
それに、「たい肥」は、作るのに時間がかかるだけでなく、できる量に限りがあるので、ほしいからといってすぐには手に入りませんし、値段が高くなります。
また、肥料のきき方(イネなどにきく早さ)もちがいます。「化学肥料」は、植物の栄養分そのものが成分で入っているので、田んぼなどにまけば、イネなどの植物が、その成分をすってくれます。わりと早くききます。
でも、「たい肥」は、土の中で「び生物」に分解されて、これがイネの栄養分になっていくので、ききめがゆっくりです。それに、「たい肥」は、土をふかふかさせ、空気の通りを良くします。