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ホーム > 作物別情報 > 水稲 > 米づくりQ&A > 家と家が固まって集落になっているのは、何かわけがあるのですか?

掲載日: 2022年2月16日

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質問

家と家が固まって集落になっているのは、何かわけがあるのですか?

答え

庄内平野の航空写真を見ると、平野という「海」の中に、ポッカリと浮かぶ小島のように家々が固まっているのがわかりますね。1つ1つの集まりを「村」とか「集落」といいます。

昔から人が村や集落を作るのには、「水がある」ことが重要です。

集落ができているのは、川や池のように水がいっぱいある場所として目立った所にだけでなく、こうした川岸・池・沼などの近くにも集落が多くあります。質の良い水は、表面に見えている川や池からでなく、実は、地下からくむことができることを昔の人たちは知っていたのです。

このような水が手に入る所に、家と家を固めて村(集落)を作ったのは、

  1. 米作りなどの農作業をする時には、他の家に手伝いに行ったり、逆に、自分のうちに手伝いに来てもらったりすることがあったこと
  2. 暖房に必要な「まき(薪)」を取ったりする土地や、家畜のえさとしての草を育てる土地として利用する場所をみんなで管理しなければならなかったこと
  3. 宗教や信仰や生活に関係のある、さまざまな行事(豊作を神様にお願いしたり、収かく後に感謝したり、あるいは、人が死んだときの「そう式」など)をみんなでしたこと
  4. 火事などの災害が起きた場合、すぐに消火活動をするなど、お互いに協力し合う必要があったこと

という理由があります。

広い土地に入って自力で開いていく新開拓地とはちがって、水を取り入れ、お互いに働きに行ったり来てもらったり、共同で利用する土地を持つことで成り立っている米作り地帯では、まず、家々を固めて集落を作ることが何よりも大事だったのです。村・集落というまとまりを農業をするための集まりと考えると、米作りが始まってから村があったことになります。