掲載日: 2022年2月16日
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米の中身の品種改良はおこなわれているのですか?
「米の中身」というのは、お米の中の成分や栄養分という意味だと思いますが、もちろん、おいしいお米であることは新品種としてデビューするためには大事なことです。
お米の味がどのようにして決まるのかは、まだ完全にわかっていません。ただ、少ないほうがおいしくなる、という成分が2つあります。
1つは「たんぱく質」です。「たんぱく質」は、お米のつぶの表面に多くあって、これが多すぎるとお米をたいた時に、お米のつぶの表面がねばねばするのをじゃまして、食べると、かたい感じがするのです。
もう1つは「アミロース」です。「アミロース」は、タイなどの東南アジアで栽培される「インディカ」のお米に多くふくまれていて、日本で作られている「ジャポニカ」には、わりと少ないことがわかっています。また、アミロースの量は、日本のお米の中でも、多いものと少ないものがあります。
「アミロース」の少ないお米は「ねばり」が強く、ほどよい「ねばり」は、食べた時にやわらかい感じがします。「アミロース」がぜんぜんないお米もあります。このお米は、おもちをつくときにつかう「もち米」です。
この2つの成分は、機械を使ってはかることができます。私たちは、いろいろなお米の中から、おいしい種類のものを選んでいく時に、この機械にかけてみて、おいしそうな品種がないか、さがします。けれども、この2つの成分だけで、お米の味全部をみたことにはなりません。おいしいお米を見分ける一番良い方法は、やはり、食べてみないとわかりません。私たちは、秋から冬にかけて、ほとんど毎日、お米の食べくらべをします。
お米の成分ということでは、おいしさの成分とは別ですが、「低アレルゲン米(アレルギーをもっていてお米を食べられない人のためのお米)」などの研究も進んでいます。