掲載日: 2022年2月16日
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道具なども、中国から伝わったんですか?
中国の揚子江(ようすこう)という川の流域で発達した稲作技術が、農具とともに日本へ伝えられたのです。最初、農具は木で作られたものでしたが、耕すための道具「クワ」をはじめとして、すでにたくさんの種類が中国でそろっていました。当時の田んぼは全部が水はけの悪い沼のような田だったので、木製でも十分に役に立ったのです。
5~6世紀の頃になると、中国の華北(かほく)地方から朝鮮半島をとおって、新しい稲作技術が伝えられました。これは、夏の間に水田をいったん乾かすという方法です。この方法では、鉄でできた農具が必要だったので、鉄製農具(土を切る部分に金属をかぶせた農具)も同時に伝えられました。そして、この新しい技術をとりいれ、勢力をつけていった部族が、古代国家を統一するようになっていったのでした。
また、華北地方からは、田んぼの表面をけずるように耕すための「スキ」も伝えられ、荘園(しょうえん)制の発達につれて、中世の時代に、上層農民の広い土地で使用されました。