掲載日: 2022年2月16日
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もち米で、できる料理を教えてください。
もち米でモチをつくほかに、「赤飯(せきはん)」があります。もち米に赤い小豆(アズキ)を混ぜて蒸したごはんです。赤小豆の煮汁を使ってお米を赤く染めるので、赤飯と呼ばれます。今は、古代米の「赤米」を使って、本来の赤飯をたくやり方も復活しています。別名「おこわ」とか「強飯(こわめし)」とも呼ばれます。
うるち米のごはんを炊く時に小豆を加えたものは「赤のごはん」または「小豆ごはん」と呼び、赤飯とは区別されています。
歴史をみてみると、「強飯(こわめし)」は、元来は古代日本人の常食である、お米を蒸してつくったごはんのことで、事あるごとに小豆を入れて染め、赤飯にしていました。
現在では、白い「強飯(こわめし)」はごはんで代用できるため、「強飯(こわめし)」という言葉は赤飯を意味するようになりました。
普通、赤飯は祝い事につきものとされていますが、古い記録によると、京都では吉事に白飯を用い、凶事に赤飯を用いたとあります。
このような用い方は、「凶を転じて吉となす」という縁起直しからきたものと考えられます。
明治中期以降は、祝い事に用いるのが恒例になり、特に神社の祭りや誕生祝いなどに多く用いられています。
赤飯は「赤い」ということが大事であり、小豆のない時代には赤米を用いたのでないかと推測されいます。(日本各地の神社に赤米を炊く行事が残っています。)
世界をみてみると、
ふだんから、もち米を主食としており、竹で編んだ甑(コシキ)で蒸して食べます。
「コーボウ」・・・赤いもち米(ンガチェイ)を突き砕いて粉にし、ゴマやつぶした落花生・塩・ココナッツの果肉の繊維を削ったものなどを加え、蒸し器で蒸した、ミャンマーの赤飯です。
蒸し上がった直後は、柔らかいのでそのまま食べます。硬くなったら、小さく切って、油で揚げて食べます。
「カーオ・ニオ・ダム=マプラーオ」・・・黒色のもち米を蒸して餡を包み、ココナッツの果肉を削ったものをふりかけたお菓子。
餡は、大豆や緑豆(リョクトウ)を煮てつぶし、砂糖を加えたものやクラチーク(ココナッツの果肉に赤砂糖を加えて煮詰めたもの)を用います。
黒色のもち米は、東南アジアのほぼ全域に分布し、菓子づくりに好んで利用されています。
「竹筒飯」・・・竹筒とバナナの香りがする独特のごはんです。
竹筒の中にバナナの葉を巻き込んでおき、そこに水に浸したもち米とうるち米を混ぜたものを入れ、ココナッツミルクを注いでから、バナナの葉で栓をして、焚き火にかざして炊きます。炊きあがったときには、竹筒は黒こげになっています。
竹筒を割って、バナナの葉に包まれた円筒状の飯を取り出して、切って食べます。東南アジアのほぼ全域に分布し、行事食・スナック・携行食として愛用されています。