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ホーム > 作物別情報 > 水稲 > 米づくりQ&A > 農薬を使わない害虫の駆除方法があったら教えて下さい。

掲載日: 2022年2月16日

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質問

農薬を使わない害虫の駆除方法があったら教えて下さい。

答え

もちろん農薬を使わない方法もあります。

たとえば、稲の害虫である「ニカメイガ」という虫を駆除するためには、稲にケイ酸(=シリカゲル・・・・・お菓子の袋の中に入っている乾燥剤に使われているような物質)を与えると、稲の「くき」がかたくなり、ニカメイガの幼虫が稲の「くき」をあまり食べることができず、被害が少なくなります。

また、ニカメイガのメスがオスをおびき寄せる時に出す「性フェロモン」というものを利用した駆除方法もあります。この方法は「性フェロモン」を包み込んだものを田んぼに置いておくことで、田んぼの中をフェロモンでいっぱいにしてメスがいるように見せかけて、本物のメスがいるとかんちがいしてやって来たオスが迷子になって、メスとめぐり会えず、結局、メスが産卵できなくなることで、ニカメイガの数が減り、被害も少なくなります。

そのほかには、米に斑点(はんてん)を作ることで問題となる「カメムシ」を減らすには、田んぼの周りにある、エサになりそうな雑草をかり取り、いつもきれいにしておくことで、カメムシが増えるのを防ぎ、密度を低くしてやることができます。こうすれば、雑草から稲に飛んでくるカメムシの数も減らせます。

稲の葉を食べる「イナゴ」を駆除する場合では、イナゴが多く産卵している、田んぼと田んぼとの境(盛り上がった縁=アゼ)を春先にドロでぬり固めるとイナゴの卵が土の中にうまり、イナゴの発生が少なくなったり、遅くなったりするので、農薬による駆除がいらなくなります。

以上のように、害虫の生活を知ることで農薬を使わなくても害虫の密度を減らすことはでき、結果的に害虫を駆除していることになります。