掲載日: 2022年2月16日
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米を作るときの草取りの大切さはわかったのですが、その方法と、平均でどの位の時間や人手が必要なのですか?
草取り(=除草=じょそう、といいます)についてですが、田んぼの中の草取りは、昔は「除草機(じょそうき)」といって、「手押し車(ておしぐるま)」の様な機械を使ったことがあり、今でも農薬を使わない農法をしている人が使ったりしていますが、現在、ほとんどの農家は「除草剤(じょそうざい)」という農薬を使って草がはえないようにしています。
1944年に除草剤が誕生したのですが、虫に薬をかけたら死ぬ・・・あたりまえといえばあたりまえですが、草が枯れる、しかも作物は枯れずに雑草だけが枯れる、ということは夢のような話でした。
それを現実のものにしたのが、2,4-D(2,4PAと呼ばれることもある)という成分です。草取りは農作業の中でも最も大変で時間もかかるものでしたから、農家では大歓迎されました。
日本で除草剤が本格的に普及しはじめたのは1950年代に入ってからです。除草剤の普及は、農村の労働力が都会へと流れやすくし、日本の工業化につながりました。また重労働からの開放は、農家の健康やゆとりが増えて、兼業化による現金収入の増加など社会に大きな変化を与えました。
水稲の除草にかかる時間(10アールあたり)は、
1949年 | 1965年 | 1975年 | 1991年 | 1999年~ |
---|---|---|---|---|
51時間 | 17時間 | 8時間 | 2時間 | 1時間 |
のように変わってきています。人手は、動力散布機を使うだけなので、1人で、じゅうぶんです。機械を使わず、田んぼに投げ入れるだけの農薬もあります。