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掲載日: 2022年2月16日

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質問

1つの品種を創り出すのに、いったい、いくらお金がかかるんですか?

答え

毎年かけあわせをして、毎年子どもを増やし、毎年良いものを選び出しています。新品種になりそうなものが、毎年毎年出てくるように、1年間で、その年の「子ども」、前の年の「子どもの子ども」、さらに前の年の「子どもの子どもの子ども」・・・・・、を同時に植えています。
毎年良いものを選び出していますが、この品種改良は、もともと、県の税金でおこなわれており、1年間で使える金額が決まっています。山形県の場合、1年間に、だいたい2,000万円です。これで、いろいろと品種改良に必要なものを買います。
あと、お金がかかるのは、働いている人の給料です。入りたての若い人と、経験を積んだ人とはちがいますが、全体を平均して1年間に、1人500万円もらうとします。山形県の場合、スタッフは6人いますので、1年間3,000万円です。
ということは、1年間に、2,000万円+3,000万円=5,000万円かかります。「山形○○号」になるまで6年かかりますから、5,000万円×6年=3億円になります。
このあと、県内のあちこちの田んぼで少しだけ作ってみます。この時に、いろいろな仕事をする人の数(=これは、給料として計算)や、試験・調査のためにかかる費用を入れれば、1年間の合計が5,000万円を越えるのは、まちがいありません。1年間試験をして、成績が良いイネはもう1年、また良ければまた1年というように、品種になるまで、4年間試験を続けます(成績が悪ければ、その年で作るのをやめます。)ので、合計5,000万円×4年=2億円になります。
ということは、1つの品種が出るのに10年かかるので、ざっと見ても、3億円+2億円=5億円となります。