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掲載日: 2022年2月16日

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質問

教科書にも資料集にも、1、2月の米づくりの仕事が書いてありませんでした。なにをしているんですか?

答え

冬は、日本海側では雪や雨の日が多く、反対に太平洋側では晴れて乾燥した日が続きます。このような気候のちがいによって、作られている作物や農業のやり方もちがってきます。

東北地方は、冬は、田んぼに雪が積もるため、田んぼでの仕事はお休みしています。(逆に、沖縄などの暖かい地方では、1月でも田んぼでの作業が始まっています。)

昔は、東北地方などのように、大都市や工業地域から遠くはなれている地域で、冬に積雪のため農作業ができなかった所では、「出かせぎ」によって収入をおぎなう農家が数多くありました。

※「出かせぎ」とは・・・

出かせぎに行く人は、一家の中心であるお父さんが最も多く、期間は半年近くがふつうです。その間は、お母さんが一家を支えています。しかし、1960年代にくらべて、最近は出かせぎをする人が減ってきました。それは、地元に企業が進出し、働く場所が増えてきたからです。また、東北地方では、道路建設・除雪などの公共事業で、臨時収入が得られるようになったことや、スキー場などのリゾート開発が行われ、そこで働けるようになったことも、大きな理由です。

つまり、スキー場がある地域では、スキーの先生をしたり、民宿を経営したりして、スキー関連の仕事をして、多角経営をしている農家の例が見られます。(夏の間も民宿を経営して、農業体験ができるようにしている農家もあります。)

農家によっては、米を作る以外に、麦を作っている農家がいます。麦作りでは、12月下旬から3月初旬まで何回か「麦ふみ」が行なわれます。「麦まき」と同じ機械によってローラーで転がしながら土をおさえるのです。これによって麦の「くき」が増えやすくなります。

ビニールハウスを建てて、ハウスの中で野菜や花を作ったりする農家もいます。中は暖房しているので、寒い冬でも野菜などが育ちます。

米作りをするほかに牛や豚を飼っている畜産農家では、冬の間も休みはありません。毎日世話をしなくてはいけないからです。

また、米作りを中心にした農業の冬仕事として「モチつき・販売」をする人もいます。夏に自分たちでモチ米を作り、冬にモチをついて商品として売るわけです。加工場を建て、加工技術を勉強し、売上げを伸ばす努力をしています。

それから、地元で「酒造り」にたずさわる農家の人もいます。酒造りは1年に1回、だいたい12月から2月という期間に集中して仕事をします。

このように、冬の間でも、収入を上げるため、各農家でいろいろ工夫をしています。