掲載日: 2022年2月16日
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どうして、イネにも伝染病があるのですか?どうして、夏に雨が続いたりすると病気になるのですか?
たとえば、一番恐い「いもち病」ですが、「いもち病」は、「なえ」や葉や、「いなほ」と「くき」のさかい目、「もみ」がついている「えだ」の部分、「もみ」などに発生します。とにかく、「なえ」の時から、花がさいた後までいつでも出てきます。
「いなほ」「もみ」に出た場合は、被害は深刻です。お米がきれいにできなかったり、収量が減ってしまいます。
こんな恐い「いもち病」を起こすのは、「カビ」の一種です。前の年にかかったイネの「ワラ」や「もみ」にくっついて冬を越します。次の年にこれが最初の伝染の原因になります。越冬したものから新しい「ほうし」を作り、「ほうし」は、まわりに水分があると、芽を出してイネの表面にくっつきます。そして、イネのからだの中に入っていきます。
イネのからだの中に入っていく気温というのが、20から28℃くらいで、特に24から26℃が一番適しています。一度病気が出ると、「ほうし」がまわりに飛んでいって、病気が広がります。
ということで、水分があると「ほうし」が芽を出すことから、夏に雨が続いたりして、イネの表面に水分がいつもある状態の時に、25℃くらいのすずしい日が続いたり、花がさくころに湿気の多い日が続くと、「病原きん」の活動が活発になって、発生が多くなります。冷害の年にも大発生することが多いのです。
肥料を多くやりすぎると、イネの「ていこう力」が落ちるので、「いもち病」にかかりやすくなります。また、山のほうでは、太陽に照らされる時間が不足し、冷たい水がかかったりして、水や土の温度が低かったり、気温が低かったりして、暖かい平野よりも発生が多くなりやすいのです。
もうひとつ恐い病気「もんがれ病」の場合は、「病原きん」が、気温が22から23℃以上になって、イネとイネの間がじめじめしていると、イネのからだの中に入ってきます。「もんがれ病」がひどくなると、お米の収量が減ってしまいます。
「もんがれ病」は、肥料の量が多すぎたり、イネとイネとの間がせまかったりすると、発生しやすくなります。