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掲載日: 2024年5月31日

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分げつが進んでいない!浅水管理を徹底して分げつ促進!

米づくり技術情報No.6(PDF:795KB)

今後の気象

 5月31日発表の2週間予報によると、6月1~5日は気温が低くなる見込みです。また、1か月予報によると、向こう1か月(6月1日~6月30日)は、降水量、日照時間は平年並みの見込みで、6月8~28日の気温は平年並みかやや高い予報です。

生育概況

 5葉期を過ぎたイネでも、分げつがあまり進んでいない状況です。また、低温に加え、断続的に風の強い日があった影響で、活着が遅れている圃場が見られます。5月31日現在の生育は、平坦部「はえぬき」で、草丈は平年より短く、茎数は平年より少なく、葉数は平年並みとなっています。

当面の技術対策

 6月上旬は初期生育量を確保するための大変重要な時期です!浅水管理を行って、分げつを促進しましょう。また、高品質で美味しい米を生産するため、以下のポイントに留意し、品種特性に応じたきめ細かな栽培管理を行いましょう。

(1)浅水管理で分げつ促進 ~土壌の異常還元(ワキ)や表層剥離は今すぐ対処~

 効率的な用水利用に努めつつ、活着後は2~3cmの浅水管理を徹底して水温・地温の上昇を図り、分げつを促進しましょう。
今後、気温の上昇に伴い、土壌の異常還元(ワキ)や表層剥離の発生が予想されます。表層剥離やワキ(ほ場に足を踏み入れると気泡が多く発生する)が見られた場合は、速やかに水交換を行います。ワキの程度が強い場合は、田干しや夜間落水を行い、根圏環境の改善を図って、初期生育量を確保しましょう。

(2)雑草防除 ~残草対策も遅れずに~

 除草剤の処理後も本田内に残草が見られる場合は、県除草剤使用基準等を参考にしながら、雑草の種類や葉数に応じた剤を選択し、登録内容を確認したうえで処理しましょう。水田内に残草したイヌホタルイやノビエは斑点米カメムシ類の産卵場所にもなるので、除草対策の徹底が重要です。

(3)病害虫防除 ~カメムシ類の生息密度低減、取り置き苗の処分~

 病害虫防除所の調査では、斑点米カメムシ類の発生は平年と比べて「やや多い」状況です。今後、気温が高まるにつれて斑点米カメムシ類の活動が活発になり、さらに増殖すると見込まれます。日頃から畦畔や農道等の除草を徹底し、斑点米カメムシ類の生息密度の低減に努めましょう。
 また、水田に放置された取り置き苗は、葉いもちの伝染源になります。ほ場の見回りを行い、取り置き苗は直ちに処分しましょう。

(4)直播栽培 ~苗立数の確認と適正な水管理~ 

 播種後の好天で、直播栽培の苗立ちは全般的に良好となっています。
 湛水直播栽培の適正な苗立数は80~120本/平方メートルです。苗立数が、120本/平方メートル以上である場合は生育過剰が懸念されるので、深水管理で茎数を抑制します。
 不耕起V溝乾田直播栽培や乾田直播栽培では、稲が2葉期になる6月上旬頃が入水時期の目安です。入水3~5日後、湛水状態が落ち着いたら一発処理除草剤を散布します。

お問い合わせ

農業技術環境課作物振興 

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