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掲載日: 2023年6月30日

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米づくり技術情報No.7を発行しました

落⽔がまだの圃場は直ちに中⼲し!⽣育量に応じた食味重視の穂肥!
葉いもち、斑点米カメムシ類対策もぬかりなく!

 米づくり技術情報No.7(PDF:419KB)

【気象・生育概況】

 6月下旬は、平年より気温はやや高く、降水量は平年並で、日照時間はやや多くなっています。
 6月30日現在の平坦部「はえぬき」の生育は、平年と比較して草丈は並、茎数はやや少なく、葉数は並、葉色はやや淡くなっ
ています。
農業総合研究センターによる幼穂の検鏡調査では、早生品種の出穂は概ね平年並と予想しています。

 

当面の技術対策

 6月29日発表の1か月予報(7月1日~7月30日)では、気温は高く、降水量及び日照時間は平年並みの見込みです。特に、7月2日からの2週間は、気温が高く推移する予報となっています。
 移植後から茎数が少なく推移していましたが、6月中旬以降は生育の回復が進み、多くの圃場で必要茎数は確保されています。圃場に出かけて生育の状況を確認し、それに応じた適切な生育調節、穂肥対応を行い、登熟力の高い強い稲をつくりましょう。

(1)落水がまだの圃場は直ちに中干し! ~作溝・中干しは確実に実施!~

 無効分げつの抑制と根の活力向上を図るため、中干しを行っていないところは、直ちに実施します。中干しは、圃場に小ヒビが入る程度を目安としますが、1.生育量が大きい場合や葉色が濃い場合は強めに行い、2.生育量が小さく、葉色が淡い場合は弱めの中干しとします。また、今後も効率的な水管理ができるように、作溝もしっかり行いましょう。
 中干し終了後は、走り水を行い飽水管理とし、その後、2~3日ごとに湛水と落水を繰り返す間断かんがいに移行し、根圏環境を健全に保ちます。

(2)生育量に応じた食味重視の穂肥 ~葉色の低下が見られない場合は減肥!~

 「はえぬき」は、7月10日頃(10葉期)に生育診断を行い、出穂25日前(幼穂形成期)に窒素成分で2.0kg/10a を上限に穂肥を実施します。茎数が700本/平方メートル以上、または葉色40以上(SPAD値)のほ場で、葉色が低下しない場合は、窒素成分で1.5kg/10a 以下に減肥します。また、茎数が450本/平方メートル以下の場合は穂肥の時期を早めます。
 生育診断を遅れず実施して、食味を重視した適期適量の穂肥を行いましょう。

(3)斑点米カメムシ類対策 ~草刈りは地域ぐるみで一斉に取り組もう!~

 斑点米カメムシ類の発生が多くなっています。イネ科雑草が繁茂している畦畔、農道周辺では発生が多くなりやすいので、畦畔及び農道等の草刈りを地域ぐるみで徹底し、斑点米カメムシ類の生息密度低下に努めます。また、水田内のノビエやホタルイ等も斑点米カメムシ類の発生源になるので、本田の残草対策も万全に行います。

(4)葉いもち対策 ~今後の葉いもち発生に注意!~

 葉いもちの発生は平年よりやや多くなると予想されています。ほ場をよく見回り、早期発見、早期防除を徹底しましょう。

(4)直播栽培 ~目標茎数の確保、葉いもち防除と残草対策を実施~

 湛水直播栽培では、茎数が400~480本/平方メートルとなったら、速やかに落水して作溝・中干しを行いましょう。V溝乾田直播栽培では、生育過剰の場合にのみ中干しを行います。湛水直播栽培の「はえぬき」の標準的な穂肥は、出穂25日前(幼穂形成期)に窒素成分2.0kg/10aです。10葉期に平方メートル当たり茎数700~750本で葉色が40~42の場合は、施用量を1.0~1.5kg/10aに減肥し、茎数750本以上で葉色が42以上の場合は追肥しません。

つや姫の生育と技術対策

 6月30日現在の生育は、概ね平年並みとなっています。有効茎は確保されました。作溝・中干しをしっかりと行い、無効分げつを抑制します。7月10日頃(10葉期)の生育診断を実施し、出穂25日前までに品質・食味を優先した穂肥を遅れずに行いましょう。
 県では衛星リモートセンシングを活用した「つや姫」生育管理技術の普及に取り組んでいます。穂肥の参考になる生育診断マップが、スマホやPCなどからインターネット上で閲覧できます。詳細は地域の農業技術普及課にお問い合わせください。

 

お問い合わせ

農業技術環境課作物振興 

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