ホーム > 作物別情報 > 水稲 > やまがた温暖化対応米づくり日本一運動 > 2023年度の山形おいしさ極める!米づくりプロジェクト > 米づくり技術情報No.5を発行しました
掲載日: 2023年6月9日
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【気象・生育概況】
6月に入ってから概ね平年並みの気温、日照時間で推移しています。 6月9日現在の生育調査結果を平均した値は、平坦部「はえぬき」で、草丈は平年よりやや短く、茎数は平年より少なく、葉数は平年並、葉色は平年よりやや淡い生育となっています。
当面の技術対策
6月8日発表の東北地方の1か月予報(6月10日~7月9日)では、気温は高く、降水量、日照時間はほぼ平年並みとなっています。特に6月10日からの2週間は、平年より 気温が高く推移する見込みです。 移植後の強風や5月下旬の日照時間が少なく推移した影響で、茎数確保が遅れているほ場が散見されます。一方、土壌の異常還元(ワキ)の影響で生育が停滞しているほ場もみられます。
この時期に発生する分げつは、やがて穂となる有効茎です。穂数を確保するための重要な時期ですので、圃場の観察をこまめに行い、きめ細かな栽培管理を行いましょう。
茎数確保が遅れているほ場では、日中止水、夜間かんがいを徹底し、水深2~3cm の浅水管理で分げつを促進します。
田んぼに足を踏み入れて、気泡が多く発生する場合は、土壌の異常還元(ワキ)が 疑われます。実際に田んぼに入って、ほ場の状態を確認した上で、田干しや水交換を行って土壌中に酸素供給を行い、根圏環境の改善に努めます。
有効茎数(“「はえぬき」の場合”内陸 480本/平方メートル、庄内 540本/平方メートル)を確保したら、 速やかに作溝・中干しを行います。 中干しは、無効分げつの抑制、根の健全化、受光態勢を良くする重要な技術です。 さらに、作溝を行うことで中干しの効果が高まり、水管理がしやすくなります。なお、作溝は、作土が「ようかん状」の硬さで行い、作土がしまってから再度実施すると更に効果が高まります。
県病害虫防除所の発生予察情報によると、斑点米カメムシ類の発生がやや多い予想です。生息密度を下げるため早急に畦畔等の除草を行いましょう。
葉いもちの発生量は平年並みと予想されていますが、取り置き苗で、いもち病の発病が平年より早く確認されています。水田に放置された取り置き苗は、直ちに処分しましょう。葉いもち防除の箱施用剤を使用していない場合は、6月20日までに遅れず 本田施用剤(粒剤等)を散布します。
除草剤散布後に田面が露出したほ場や、除草剤散布が遅れたほ場では、防除効果が劣る場合があります。ほ場を見回り、残草の種類や葉齢等を確認して遅れずに処置し ましょう。
湛水直播「はえぬき」の5葉期の適正茎数は、250~300本/平方メートルが目安となります。茎数が不足している場合は、水深2~3cmの浅水管理を行って、分げつを促進します。
葉いもちの予防薬剤を使用していない圃場では、6月20日までにいもち病に効果のある殺菌剤を散布しましょう(粒剤等)。
「つや姫」の生育は、草丈、茎数、葉数、葉色のいずれも平年より低い値となってい ます。茎数が不足しているほ場では、水深2~3cmの浅水管理を継続します。また、日中止水・夜間かんがいを徹底して分げつを促進し、有効茎を確保しましょう。有効茎数 (内陸 410本/平方メートル、庄内 440本/平方メートル)を確保したら、作溝・中干しを行います。適期に適量の穂肥ができる生育量にコントロールすることが重要です。
生育や地力に応じたきめ細かな栽培管理で、おいしい「つや姫」を育てましょう。
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