令和6年度病害虫発生速報第6号(トマト、ミニトマト トマトキバガ)
ミニトマトでトマトキバガによる食害を確認!
圃場をよく見回り、食害が見られたら早期防除を。
発生概況及び今後の予報
- 本県では、令和5年にトマトキバガのフェロモントラップによる侵入調査で誘殺が確認されたが、これまで農作物への被害は確認されていなかった。
- 令和6年は園芸農業研究所(寒河江市)に設置したトマトキバガのフェロモントラップにおいて、6月5半旬から誘殺が見られている。
- 令和6年7月上旬にハウスミニトマトで、本種の食害と疑われる葉が確認され、葉内部には幼虫が確認された。果実の食害は確認されていない。
被害の様子
- 茎葉では、内部に幼虫が潜り込んで食害し、孔道が形成される。食害部分は表皮のみを残して薄皮状になり白変する。食害部を観察すると虫糞が1か所に集積し、葉内部に幼虫が確認できる場合もある。成虫は体長5~7mmと小さい。
- 本種の食害痕は「面的」となる。ハモグリバエ類の食害痕は類似するが、「線状」であり、本種のものとは異なる。
- 果実では、幼虫がせん孔侵入して内部組織を食害するため、果実品質が著しく低下する。
- 他県では、トマト苗の生長点が食害される被害が確認されているので、育苗期間中も注意する。
- トマトキバガの形態と生態の特徴は「令和5年9月27日付農作物有害動植物発生予察情報特殊報第1号」を参照。
防除対策
- 圃場をよく見回り、見つけ次第捕殺する。
- トマトキバガの食害が疑われる場合は、病害虫防除所または最寄りの農業技術普及課に連絡する。
- トマト、ミニトマトの施設栽培では、ハウス入り口や開口部に防虫ネットを設置し、本種の施設内への侵入を防ぐ。
- 食害された葉や果実は圃場内に放置せず、ビニール袋などに入れて一定期間密閉し、寄生した成幼虫を全て死滅させてから適切に処分する。
- 本種は繁殖力が高いので、発生を拡大させないため、トマトキバガに適用のある農薬を散布する。なお、抵抗性害虫出現防止のため連用を避け、作用性の異なる薬剤で輪用散布する。
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発生速報第6号(トマト、ミニトマト トマトキバガ)(PDF:489KB)
↓トマトキバガの形態と生態の特徴についてはこちらをクリック↓
参考:「令和5年9月27日付農作物有害動植物発生予察情報特殊報第1号」(外部サイトへリンク)