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12月下旬出荷に向けた啓翁桜の促成管理

 山形県が日本一の生産量を誇る啓翁桜は、染井吉野などの桜と同様に、春に花を咲かせる桜の品種です。昭和50年代に本県で開発された促成技術を活用することで、12月から出荷することが可能となり、今では、お正月に飾る花として定着しています。今回は、啓翁桜切り枝の促成管理について紹介します。
 啓翁桜は、休眠打破処理を行った後、3週間程度の促成期間を経て、12月下旬の出荷を迎えます。促成期間中は、切り枝の基部を水に10~15cm浸けた状態で管理します。水に枝物用の品質保持剤を加えると、花の色が濃くなり、花弁の開きも良くなります。
 促成管理では温度と光も重要です。高い温度で促成すると花の色が薄くなり、品質が低下するので、夜は13℃、昼は20℃を目標に管理します。花の色をさらに濃くするためには、蕾の先端が十字に割れ始めてきたら、10℃程度に夜温を下げ、日中は、温度が高くなりすぎないように気を付けながら、光を十分に当てます。また、この頃になると枝の給水量が増えますので、水管理に注意が必要です。
 こうした促成管理を行い、花の色が濃く開花が揃った高品質な啓翁桜を全国の消費者に届けましょう。

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