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稲刈り後、稲わらを腐熟しないまま春を迎えると、田植え後の気温上昇で稲わらが急激に分解され、稲に有害なガスが発生し、初期生育が不良になることがあります。秋のうちに稲わらの腐熟を促進する作業を行うことが重要です。
秋に行う稲わら腐熟促進の方法は大きく分けて二つあります。一つ目は、収穫後、できるだけ早いうちに、稲わらの腐熟を促進する資材などを散布する方法です。二つ目は、気温が低下する前に、なるべく浅く耕耘する方法です。耕耘の深さは5~10cm程度で十分で、稲わらと土壌表層の混和が目的です。深く耕耘すると、稲わらの腐熟が進みにくくなるだけでなく、春の耕耘作業時に田んぼが乾きにくくなる等の影響が出るので注意が必要です。資材の散布と耕耘を組み合わせると更に効果が高まります。
秋の水田管理をしっかり行うことで、来年の稲の初期生育量を十分確保し、高品質・良食味米の安定生産につなげましょう。