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野菜の多くは、大雨などで土壌水分が過剰になると、根の呼吸が抑えられて、養水分の吸収が悪くなり、生育が抑制されてしまいます。特に梅雨の時は長雨になりやすく、近年は気候変動による、何十年に一度というような大雨が増えています。こうした大雨による湿害を防ぐためには、圃場条件に合わせた事前の対策が重要となります。
露地栽培では、圃場の周囲やうね間に排水溝を掘り、降った雨が圃場の外に速やかに排水されるようにしておきます。また、土地が周囲より低く、水がたまりやすい圃場や、地下水位が高い圃場では、できるだけ高いうねを作って植えるなどの工夫が必要です。
一方、施設栽培では、施設内に水が多量に入ってくると、植えてある作物に大きな被害が発生します。被害を未然に防ぐため、施設周囲に深く広い溝を掘り、排水路を確保して雨水が施設内に入らないようにします。また、排水路にはビニールや畦シート等を敷き、施設内への雨水の浸透を防止します。万が一の浸水に備え、排水ポンプを用意しておくなどし、事前の排水対策を万全にしておきましょう。