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さくらんぼの摘果による肥大促進効果を高めるためには、できるだけ早く作業を終わらせる事が重要です。「紅秀峰」では満開15日頃から、「佐藤錦」では満開25日頃から着果の多少が分かってくるので、よく観察し、多い場合は早めに摘果を始めます。
作業はスピードを重視し、まず園地全体を大まかに一回りした後に、着果が多い部分を見直すなど複数回で仕上げましょう。
適正な着果量の目安は、「佐藤錦」や「紅秀峰」では短果枝(たんかし)当たり二個程度、「やまがた紅王」では少なめの1.5個から2個程度です。
果実は、全ての枝に均等に成らせるのではなく、日当りの良い上枝や樹勢が強い樹では多めに、日当りの悪い枝や樹勢が弱い樹では少なめに着果量を調整することが、品質を揃えるポイントです。
また、双子果は、着果量が十分な場合は摘果します。一方で、着果量が少ない場合は摘果すると、残った果実の熟度が急激に進み、過熟になりやすくなります。そのため、適正な着果量を確保するよう摘果せずに残しましょう。
この時期は果実肥大にとって重要な時期です。5月20日頃までは積極的に灌水を行いましょう。