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啓翁桜は、例年「染井吉野」よりも、少し早く開花します。啓翁桜の重要病害である幼果菌核病の防除適期は、開花始めから満開ごろまでです。適期に防除できるよう、生育や開花状況をよく観察し、遅れることのないように防除の準備を進めましょう。また、雨が降って防除できないこともありますので、ゆとりを持って日程を確保しましょう。
幼果菌核病を発病した葉や実は、多くが秋までに落下し、付着している病原菌は地上で越冬します。越冬した菌は、春にお椀状のキノコとなり、この中に作られた胞子が空中に飛散することで、幼果菌核病に感染すると言われています。そのため、耕種的防除として、地表面を耕耘する方法があります。この方法は、前年に発病して、地上に落下した葉や実をすき込むことができ、地表面の乾燥を促すことができるため、効果的です。
薬剤防除と耕種的防除を組み合わせて、対策を徹底しましょう。