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牧草地は利用形態の違いから、採草利用と放牧利用に区別され、その管理方法も異なります。
採草利用では、収量を確保することが重要です。牧草は、春に「スプリングフラッシュ」と呼ばれる急激な生育を示すため、採草利用の場合は、この性質を利用し、年間の収量が最大となるように融雪後速やかに施肥を行います。具体的には、3回刈りの場合、早春に年間施肥量の50%を、一番草の刈取り後に30%、二番草の刈取り後に残りの20%を施用します。
一方、放牧利用では、放牧期間を通して安定した草量が確保できるように管理する必要があります。具体的には、牧草地の一部を採草利用することで、生育が一定になるようにコントロールしましょう。そして、施肥する場合は、春の急激な生育を抑えるため、早春に年間施肥量の20%を、6月下旬に40%、8月下旬に残りの40%を施用します。なお、放牧開始が遅くなる場合は、6月上旬と8月下旬に50%ずつ施用しましょう。
また、苦土石灰などの土壌改良資材は、ミネラルバランスを考慮し、早春もしくは晩秋に施用するなど、牧草地の利用目的に応じて、適切に管理しましょう。