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山菜のたらの芽は、県内各地で栽培されており、促成栽培で12月から4月まで出荷されています。今回は、たらの芽の生産に用いるたらのきを、圃場で効率的に養成するための育苗方法について紹介します。
苗の増殖には、病気が発生していない圃場にあらかじめ定植して、1年間育てたたらのきの根を用います。晩秋または雪解け直後に株ごと掘り起こし、2月中旬から4月に育苗を始めます。
根は、鉛筆程度の太さのものを選び、長さ約5cmに切り分けます。切り口を乾かしてから、清潔な培養土を入れた育苗箱に横向き一列に寝かせて並べ覆土し、地温20℃で管理すると、10日程度で芽が出始めます。芽の長さが3~5cmに達し、発根したものから順次鉢上げします。鉢上げには、直径9cmのポリポットを用います。
定植は、晩霜のおそれがなくなる5月下旬頃から6月にかけて、順次行います。2年目の秋には2m程度のたらのきに成長し、促成栽培を行うことで、たらの芽を収穫できるようになります。