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年末を控え、今年の農業生産を振り返り、今後の経営について相談・検討している方も多いのではないでしょうか。経営状況をしっかり把握するには、複式簿記記帳に基づいた決算書が最も重要な資料となります。
一般に、簿記記帳の方法は、単式簿記と複式簿記に分類されます。単式簿記は、主に収入と費用について記帳するもので、比較的簡単に一年間の農業所得を計算できますが、収入や費用の記帳もれがあると正確な経営状況の把握ができなくなる恐れがあります。
一方、複式簿記では、収入、費用に加えて、機械・施設、売掛金などの資産に関する科目や、借入金、買掛金などの負債に関する科目についても、仕訳のルールに基づき、漏れなく記帳します。こうすることで、正確に農業所得を計算できることに加え、財産状況が明らかになるため、今後の経営判断がしやすくなります。
簿記記帳用のパソコンソフトが市販されていることから、パソコンで記帳を始める方も多くなっています。農業技術普及課では、簿記の講座などで、複式簿記の方法を基礎からわかりやすく指導しています。新年からの複式簿記の記帳開始に向けて、準備を進めてみてはいかがでしょうか。