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りんごやなしの樹に発生する「腐らん病」は、枝や幹を枯らしてしまう病気で、被害が広がる前の防除の徹底が重要です。地域全体で園地を巡回し、発病した主枝や側枝を一斉に取り除くことが被害の拡大防止に有効です。
若い枝に発生する「枝腐らん」は見つけしだい切除します。また、幹の部分に発生する「胴腐らん」は、病斑部周辺の健全部も含めて大きめに削り取って塗布剤を処理しましょう。
この病気は、剪定時の切り口や雪害での枝折れによる傷口からも感染します。切り残し部分が長いと感染しやすくなるので、剪定の際は、枝の基部から丁寧に切り落とし、その日のうちに切り口に塗布剤を処理しましょう。
また、11月から3月の間は「腐らん病」の胞子の飛散が盛んになるため、冬を迎える前の防除が重要です。発生が見られる園地では、収穫が終わりしだい、薬剤を散布して、冬期間の感染を予防します。
さらに、適正な樹勢を維持して病気にかかりにくくすることも重要な対策です。樹勢をよく観察して、樹が弱くならないような剪定作業を心掛けましょう。