閉じる

ホーム > 農業一口メモ

ここから本文です。

農業一口メモ

2024年3月29日 野菜の露地圃場の準備と定植

 3月も終わりを迎え、露地野菜を定植する時期が近づいてきました。この時期は畑を早めに乾燥させ、圃場に入れるように準備を行うことが重要です。圃場内に停滞水がある場合は、明渠や排水溝を掘って速やかに排水し、圃場が乾燥してから堆肥散布や施肥、マルチ張りなどの作業を行います。圃場の準備は、遅くとも定植の一週間前までに終わらせ、地温の上昇を促します。前年までの作業日誌を参考に、作業が遅れないように計画的に進めましょう。
 定植は、地温が15℃以上であることを確認して、暖かく風のない日を選んで行いましょう。生育を早めるためにトンネルを設置した場合は、生育状態や気象条件によって、日中のトンネルの換気量を調節します。なお、農ポリや農ビのトンネルだけでは、低温や霜に対応できないので、ホットキャップやべたがけ資材などの保温資材を活用して、低温障害などを防止しましょう。

2024年3月28日 県産主要花きのアルストロメリア

 アルストロメリアは、南米に広く自生する球根植物で、本県では、30年前頃から栽培が始まりました。置賜地域や庄内地域を中心に、軽量鉄骨ハウスやパイプハウスで周年栽培されており、長野県、愛知県、北海道に次ぐ全国第4位の生産量を誇ります。1本の茎に多くの花や蕾をつけるので、ボリューム感があり、日持ちも良く、長い期間楽しむことができる人気の切り花品目です。
 アルストロメリアは、地温が低くなると花芽が着いた茎が発生します。生産性を上げるため、夏は地中冷却という方法で地温を積極的に冷やします。これからの時期は、冬期間の低い地温で分化した花芽の生育が、気温の上昇とともに進むため、県内産地では収穫盛期を迎えます。白やピンク、黄色、オレンジなど、春の訪れを感じさせる花色の品種も多く栽培・出荷されています。ぜひ、生花店などに足を運んでいただき、山形県が全国に誇るアルストロメリアを購入して、ご自宅に飾ってみてください。

2024年3月27日 果樹の霜対策の準備

 春は、摘芽や休眠期防除、苗木の植付けなど、様々な仕事があり忙しい時期です。生育に合わせた作業ができるように計画的に進めましょう。
 果樹は、春に芽が動き出すと、低温に対する耐性が弱くなります。さくらんぼでは発芽10日後頃から危険な生育ステージとなることから、凍霜害対策を実施します。
 令和5年は春先の高温の影響で、早場のさくらんぼでは、3月15日頃に発芽し、3月末には雌しべの枯死が発生しました。今年も生育が早まっています。まだ、対策の準備をしていない人は急いで準備しましょう。
 また、防霜対策に当たっては、効果に不足がないよう徹底した対策を行いましょう。
 凍霜害対策には、「燃焼法」や「散水氷結法」、「防霜ファン」などがあります。「散水設備」や「防霜ファン」等の設備は、試運転を行っておきます。県が作成した「果樹凍霜害対策マニュアル」を参考にして、しっかり対策を実施しましょう。

2024年3月26日 農作業中の事故防止

 春の農作業が始まる時期となりました。毎年春の農繁期に、農業機械を使用した作業中の重大事故や死亡事故が多く発生しています。作業開始前には安全確認を徹底する等、農作業の事故防止に努めましょう。
 はじめに、作業は適切な装備と服装で、機械の取扱方法を守って行いましょう。整備・点検、ちょっとした確認時のエンジン停止やトラクターで路上を走行する際のブレーキペダルの連結など、基本的な注意点を確認し、事故を未然に防ぐ事が大切です。
 次に、トラクターの転落や転倒による事故を防ぐため、圃場に出入りする時は、路肩の具合や傾斜、段差等を事前に確認し、慎重に運転します。後ろ向きの作業は特に気をつけましょう。また、万が一の転落に備え、トラクターには、安全フレームなどの装備を正しく装着し、ヘルメットの着用やシートベルトをしっかりと締めましょう。いざというときに、日頃からの心がけがあなたの命を守ります。
 体調管理も含めて一人一人が油断せず作業の安全を心がけ、農作業事故を防止しましょう。

2024年3月25日 「啓翁桜」の春の栽培管理

 今日は、先日採り上げたカイガラムシ防除と並んで重要な春作業である、施肥や病害防除についてご紹介します。
 「啓翁桜」を早くから導入した産地では、老木化が進み、樹勢が弱くなっている園地も見受けられます。枝が伸び始める前に施肥を行い、樹勢の確保と枝の再生に努めるようにします。施肥量は、10a当たり窒素成分で5~10kgを目安とします。樹勢が弱い園地では、多めの10kgを施用する等、樹勢や地力に応じて加減するようにしましょう。
 また、「啓翁桜」の重要病害の一つに幼果菌核病があります。幼果菌核病は、開花始期から満開にかけての時期が、最も感染しやすく、また、最も薬剤散布の効果が高い時期になります。今年の「啓翁桜」の開花は、例年より早まる見込みですので、遅れずに防除できるよう、蕾の生育状況をよく観察しましょう。
 詳しい防除方法や、使用する薬剤については、最寄りの農業技術普及課にお問い合わせください。