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農業一口メモ

2024年7月26日 農作業中の熱中症予防

 陽射しが強く、1年で最も暑くなる時期を迎えました。農作業中の熱中症は近年増加傾向にあり、令和5年度に救急搬送された人数は全国で2,013人となりました。熱中症を予防し元気に農作業を行うために、次の3点を心がけましょう。
 1点目は、こまめに水分・塩分を補給することです。汗をかくと体内の水分だけでなく、塩分も失われます。のどが渇いていなくても、20分おきに水分補給をするとともに、塩分も補給しましょう。
 2点目は、単独での作業を避けることです。なるべく2人以上で作業し、時間を決めて声をかけあったり、異常がないか確認し合ったりしましょう。
 3点目は、熱中症対策アイテムの活用です。ファン付きのウェアやネッククーラーを着用することで、体温の上昇を抑制できます。また、ヘルメットや帽子は通気性のあるものや熱を逃がしやすい素材のものを選び、頭部に熱がこもらないようにしましょう。
 もしも、立ちくらみや脱力感等の熱中症の症状を感じたら、すぐに作業を中断し、応急処置を実施することが大切です。涼しい環境へ避難し、衣服をゆるめ体を冷やし、水分・塩分を補給しましょう。それでも症状が改善しない場合は、医療機関で診療を受けましょう。

2024年7月25日 そばの播種

 そばの播種時期が近づいてきました。
 そば栽培では、圃場の排水対策と適期播種が安定生産の最大のポイントになります。
 そばは湿害に非常に弱い作物です。播種直後に雨が多いと出芽に影響を及ぼし生育不足となりますので、排水対策をしっかり行いましょう。播種時期の目安は、山間部は7月下旬、中山間部は7月下旬~8月上旬、平坦部は8月上旬です。播種が早すぎると過繁茂になり、倒伏による収量低下を招きます。反対に、播種が遅すぎると生育量が不足するため収量が低下しますので、適期に播種しましょう。
 播種方法は、すじ播きと、ばら播きの2通りがあります。すじ播きは、播種の深さが一定になるため、出芽が良好で、倒伏も少なく、生育や収量が安定します。播種量は10a当たり5~6kgで、1㎡当たり苗立本数が150本前後となるように、そばの粒の大きさによって播種量を調整します。ばら播きは、すじ播きより簡便ですが、出芽が不安定になりやすいので播種量を2割程度多くして苗立本数を確保します。
 良質なそばの生産に努め、山形そばのファンの期待に応えていきましょう。

2024年7月24日 家畜の暑熱対策

 暑さによる家畜へのストレスは、乳量の減少や発育・繁殖成績の悪化など、生産性が低下する原因となります。そのため、家畜が健康で快適に過ごせる環境をつくりましょう。
 まずは、畜舎の暑熱対策です。畜舎の屋根への石灰資材の塗布や散水、換気や細霧冷房、扇風機を用いて適切な空気の流れを作るなど、畜舎内の温度を下げましょう。また、寒冷紗など日よけを設置し、直射日光を軽減することで、畜舎内の気温の上昇を抑えましょう。なお、扇風機については、風が家畜の体に直接あたるように調整し、家畜の体感温度の低下や体の熱の放散に努めましょう。
 次に、家畜の暑熱対策です。良質で消化の良い飼料の給与や、ビタミンやミネラルの補給などで栄養不足を防ぎましょう。また、清潔な冷たい水を常に十分飲めるようにし、家畜の体調を崩さないように努めましょう。

2024年7月23日 夏の家庭菜園の管理

 トマト、なす、ピーマン、きゅうりなど、長期間収穫する野菜では、今後の収穫に備えて、草勢を保つことが重要です。このため、現在の生育を的確に診断し、必要に応じて追肥を行います。
 トマトは、株の生長点から開花位置までの長さで診断します。約10~15cmの長さが良い状態で、生育が弱くなるとこれより短くなります。
 なす、ピーマンは、花の状態で診断します。花の中心に雌しべがピンと立っているのが良好な状態です。生育が弱くなると、雌しべが短くなり、周りの雄しべに隠れて見えなくなります。
 きゅうりは、先端部分から発生する巻きひげの状態と果実の曲がり程度で診断します。巻きひげは太く、茎から45°位の角度で発生するのが良い状態です。巻きひげが細く短い場合や果実の曲がり程度が大きい場合は、生育が弱い状態と判断します。
 生育が弱い場合は追肥を行います。追肥は一度に多く与えず、株元から少し離れたところに少量ずつ、数回に分けて与えましょう。

2024年7月22日 農薬によるミツバチへの危害防止

 ミツバチは、メロンやさくらんぼ等の交配に利用され、園芸作物の安定生産には欠くことができません。ミツバチは巣箱の設置場所を中心に蜜や花粉のある植物を求めて広範囲に活動します。そして、稲の花が咲くこれからの時期は、活動が盛んな午前中に、水田に飛来することも多くあります。
 一方で、稲の花が咲く出穂期は、「斑点米カメムシ類」の防除時期となります。殺虫剤によるミツバチへの被害が発生しないよう、防除が始まるまでに防除実施者と養蜂家は連絡を取り合って、防除予定区域や巣箱の設置状況を必ず確認して共有しましょう。
 両者で連携を密にして十分に話し合い、防除実施者は防除時期や防除時間帯に配慮する、養蜂家は巣箱の設置場所を移動するなどの対応を徹底し、ミツバチへの危害防止に努めましょう。