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農業一口メモ

2025年12月5日 果樹の雪害防止

 今年は1月からの大雪の影響で、枝折れなどが多くみられ、中山間部を中心に大きな被害となりました。初冬の雪は湿って重く、枝折れや棚の倒壊などの被害が生じやすくなります。雪害を防止するため、本格的な積雪の前に、対策を万全に実施しましょう。
 りんごなどの立ち木栽培では、枝折れを防ぐため、大枝に支柱を設置します。支柱はまっすぐに立て、枝がはずれないように結束します。さらに、突然の大雪に対応するため、パイプを交差させて、主枝などの枝受けにすると、より強度が増して、効果的です。また、枝に積もる雪を少なくするため、混みあっている部分の枝を間引く粗剪定も行います。
 幼木は、支柱を立て、幹をしっかり固定するとともに、雪で裂けないように横枝もまとめて結束しましょう。
 棚栽培のぶどうでは積雪前に剪定を終了します。ぶどう以外でも、枝が裂けないよう、粗剪定を行ない、主枝に支柱を立てましょう。
 さくらんぼ等の雨よけ施設では、雨樋に積もった雪が被害の原因になるため、雨樋の下に補助支柱を追加します。雪が多い地域では、防鳥ネットは外すか、コンパクトにまとめて、雪がなるべく積もらないようにしましょう。

2025年12月4日 野菜ハウス栽培の効果的な保温管理

 冬期間の野菜のハウス栽培では、ハウス内の温度確保が重要となります。今日は冬期間の保温管理について、三つのポイントを紹介します。
 一つ目は被覆資材を複数重ねることです。内張りカーテンやトンネル、不織布などのべたがけ資材を利用して保温に努めましょう。日中は太陽光をできるだけ施設内に取り込むように、内張りカーテンやトンネルを開放し、午後は早めに保温を開始しましょう。
 二つ目はハウスの気密性を高めることです。被覆資材に破れや隙間があるとハウス内に冷たい空気が入り込み、保温効率が低下します。点検して破れや隙間がある場合は、速やかに補修します。さらに、内張りカーテンは地面に接するよう長めに設置し、裾部分をおもり等で押さえ、下の隙間から冷たい空気が入らないようにします。
 三つ目は循環扇の活用です。暖まった空気はハウスの上部に集まるため、循環扇を使って空気を撹拌し、ハウス内が均一に暖まるようにします。
 これらの保温管理は、加温ハウスにおいても効果的ですので、積極的に取り入れましょう。

2025年12月3日 12月下旬出荷に向けた啓翁桜の促成管理

 山形県が日本一の生産量を誇る啓翁桜は、染井吉野などの桜と同様に、春に花を咲かせる桜の品種です。昭和50年代に本県で開発された促成技術を活用することで、12月から出荷することが可能となり、今では、お正月に飾る花として定着しています。今回は、啓翁桜切り枝の促成管理について紹介します。
 啓翁桜は、休眠打破処理を行った後、3週間程度の促成期間を経て、12月下旬の出荷を迎えます。促成期間中は、切り枝の基部を水に10~15cm浸けた状態で管理します。水に枝物用の品質保持剤を加えると、花の色が濃くなり、花弁の開きも良くなります。
 促成管理では温度と光も重要です。高い温度で促成すると花の色が薄くなり、品質が低下するので、夜は13℃、昼は20℃を目標に管理します。花の色をさらに濃くするためには、蕾の先端が十字に割れ始めてきたら、10℃程度に夜温を下げ、日中は、温度が高くなりすぎないように気を付けながら、光を十分に当てます。また、この頃になると枝の給水量が増えますので、水管理に注意が必要です。
 こうした促成管理を行い、花の色が濃く開花が揃った高品質な啓翁桜を全国の消費者に届けましょう。

2025年12月2日 高病原性鳥インフルエンザ対策

 渡り鳥が飛来する時期になり、高病原性鳥インフルエンザの感染リスクが高まっています。
 県内でも死亡野鳥から高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されていることから、特に、次の点に注意して、鳥インフルエンザウイルスの感染を防ぎましょう。
 まず、野鳥やネズミなどの野生動物の鶏舎への侵入を防ぐことが極めて重要です。防鳥ネットの破損や鶏舎の屋根と壁の隙間など、侵入可能な場所がないか入念に点検し、隙間などがあった場合は速やかに修繕しましょう。
 次に、農場に出入りする際の車両や長靴の消毒等の飼養衛生管理を徹底しましょう。
 なお、高病原性鳥インフルエンザウイルスは感染しても、死亡する鶏の数がすぐに増えない場合もあります。異状を早期に発見できるよう鶏舎の衛生管理と鶏の健康観察をこまめに行いましょう。
 鶏を飼育している皆さん、野生動物の侵入防止対策が万全かどうか、今一度、確認を徹底しましょう。なお、鶏に異状を確認した場合は、最寄りの家畜保健衛生所へ速やかに連絡してください。

2025年12月1日 山形県産「そば」の振興

 山形県の「そば」は、作付面積が約5,700haあり、国内第2位で、県内の農作物の中でも、水稲に次ぐ第2位の作目となっています。また、県内には、製粉・製麺から麺類飲食店まで、優れた技術力を有する、そばに関連した企業が数多くあります。
 更にそばは、食材としての価値だけでなく、観光資源としても大きな魅力のある作物です。県内各地で開催される「新そばまつり」などには、山形のおいしいそばを味わうために、県内外から多くの観光客が訪れ、地域の活性化につながっています。
 品種は、「でわかおり」と「最上早生」が多く栽培されていますが、大石田町の「来迎寺在来」などのように地域ごとに特色ある品種も作付けされています。また、山形県農業総合研究センターで開発された「山形BW5号」は、収量性が高く、「最上早生」に比べて、麺の白みが強く、味や香りが良い大変おいしい品種で、県内各地で栽培が始まっています。
 今年も、打ちたてのおいしい山形の「そば」をたくさん味わってください。