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農業一口メモ

2025年11月7日 年末出荷に向けた「啓翁桜」切り枝の低温処理

「啓翁桜」は、年末から正月にかけて高い需要があります。この時期に「啓翁桜」を咲かせるため、11月末頃までに、休眠中の花芽が8℃以下に500時間当たったことを確認してから休眠打破処理します。ところが、気象庁の季節予報では、今年も11月の気温が高くなる予想のため、特に平地の圃場では低温不足の懸念があります。そこで、大型冷蔵庫を用いたり、山あげをするなど「啓翁桜」切り枝の低温処理の実施を検討しましょう。
冷蔵庫利用の低温処理で大事な点は、収穫した切り枝を乾燥させないことです。そのため、圃場では長めに枝を収穫します。そして、冷蔵中は切り枝に風を直接当てないようにします。また、基本的に落葉した切り枝を用いますが、落葉前の場合は、蒸散による乾燥を防ぐため、水等が入ったバケツに入れて処理します。果樹を保管していた冷蔵庫を利用する場合は、事前に扉を開放し、大型扇風機等を利用してエチレンを排出しておきます。
山上げによる低温処理の場合でも、切り枝を乾燥させないことが大事です。冷蔵庫利用の注意点に加え、直射日光が当たらない建物の北側等に置くようにします。
現在、低温が0時間の地域でも、9日から連続して8℃以下で処理すると、11月末までに500時間に達します。気候変動に対応した取り組みを行って、需要の高い年末出荷をしていきましょう。

2025年11月6日 りんご「黒星病」の収穫後対策

今年のりんご「黒星病」の発生は、防除対策が適切に行われた結果、県全体では少ない発生量となっています。来年も発生を抑えるために、収穫後の防除対策を徹底しましょう。
「黒星病」の防除は、いかに初期の感染を抑えるかが重要なポイントです。そのため、今年の収穫後と来年の春、りんごが発芽する前に薬剤散布を行いましょう。さらに、今年発生が多かった園地では、最初の伝染源となる被害葉の対策が重要となります。落葉した被害葉を集めて処分したり、完熟堆肥で被害葉を被覆するなどして、伝染源となる菌の密度を低く抑えましょう。
また、枝葉が混み過ぎている樹や、樹間の狭い園地では、薬剤がかからない部分が残り、そこから発病して多発生につながってしまいます。薬剤がかかりやすい樹や園地となるよう、間伐、縮伐、剪定を適切に行いましょう。
まもなく、りんご「ふじ」の収穫盛期を迎えます。収穫が終了した園地から、対策を確実に実行して、来年も「黒星病」の発生を少なく抑えましょう。

2025年11月5日 うるいの促成栽培

うるいは、味や香りにクセが少なく、シャキシャキとした食感の山菜で、様々な料理に利用できます。ハウスを使った促成栽培では、2月から収穫が本格化します。今回はうるいの促成栽培について、圃場で養成した株の掘り上げ、促成床の作成手順、促成方法について紹介します。
株の掘り上げは、葉が黄変した頃に行います。掘り上げた株を集め、金網などで囲って野ねずみの食害を防止し、直射日光等で株が乾燥しないように、遮光資材等で被覆して保管します。
次に、促成床の準備です。ハウスを整地し、幅120cm、深さ10cm程度に掘り下げ、周囲にコンパネなどで高さ約45cmの枠を設置します。次に、底面に1坪当たり約200ワットの電熱線を配置して、サーモスタットに接続します。
最後に促成方法です。芽の伸長には、促成を始める前に8℃以下の温度に900時間以上遭遇する必要があり、県内では概ね1月上旬頃から促成を始められます。促成床に株を並べて十分に灌水し、温度センサーを株元に差し込みます。軟白資材にはもみ殻を用い、20cmの厚さになるように投入します。促成温度は芽が動くまでは20℃、芽の伸長期は18℃、収穫直前は15℃とします。生育ステージに合わせた温度管理を徹底し、良品生産に努めましょう。

2025年11月4日 ぶどうの剪定

ぶどうの剪定は、樹の勢いや種枝の充実程度、枝の混み具合をよく観察してから始めます。隣同士の樹の枝が重なってきたら、樹の優先順位を決めて、永久樹の生育を妨げる樹は、縮伐や間伐を行いましょう。
「デラウェア」などの種なし長梢栽培では、やや強めの枝に品質の良い果実がなるため、枝の間引きや切り返しを組み合わせながら樹勢を保ち、充実が良い種枝を揃えるように剪定します。種枝は5芽~7芽残して切るのが目安ですが、残す芽数は枝の強さによって加減し、強い枝は芽数を多く残します。樹勢が弱く、種枝の充実が悪い場合は、切り返し主体の剪定を行い、種枝の芽数を少なめにします。その分、残す枝数を多めにして、全体の芽数を確保しましょう。
「シャインマスカット」などの短梢栽培では、2芽剪定を基本にし、充実が良い母枝を芽座当たり1本~2本残します。樹が古くなると母枝が主枝から離れやすくなるため、できるだけ基部の枝に切り戻すようにしましょう。ただし、冬期の凍害が心配される場合は、秋に3芽~4芽程度残して剪定し、3月中旬頃に2芽に切り戻すようにしましょう。

2025年11月3日 農林大学校の令和八年度入校生の一般選抜試験

今日は、農林大学校の令和8年度入校生の一般選抜試験について紹介します。
募集する学科は、稲作、果樹、野菜花き、畜産、農産加工、林業の六つの経営学科です。なお、野菜花き経営学科を志望する場合は、入校志願書を提出する際に野菜コース、または花きコースを選択していただきます。選抜に当たっては、筆記試験及び口述試験の結果を総合的に判定して行います。
次に、日程をお知らせします。試験日は12月3日(水)で、出願期間は11月18日(火)から11月25日(火)までです。郵送の場合は当日消印有効です。また、農林大学校に直接お持ちいただく場合の受付時間は、平日の午前8時30分~午後5時15分までです。
農林大学校は、農林業のスペシャリストを養成し、昨年で創設70年を迎え、3,800名を超える卒業生を輩出している歴史ある学校です。志を同じくする仲間と共に2年間学び、卒業後には仲間と力を合わせて、山形県の農林業を未来に繋げていきましょう。入試に関する情報は、農林大学校ホームページ「入試情報」をご覧ください。ご不明な点は、農林大学校教務学生担当、電話0233-22-1528にお問い合わせ願います。