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農業一口メモ

2025年12月23日 水稲の省力低コスト栽培

 水稲の規模拡大に伴って、作業の省力化・コスト低減につながる直播栽培や高密度播種苗移植栽培に取り組む事例が増えています。
 直播栽培には、水を張って代かきしてから種子を播く湛水直播と、代かきをしないで乾いた田んぼに直接種子を播く乾田直播があります。湛水直播の一つである、鉄コーティング湛水点播技術は、発芽後の茎数の増加が旺盛で、移植栽培並の収量が確保でき、本県の主要な直播技術となっています。乾田直播は、田んぼが乾いたら4月下旬から播種できるため、雪解けの早い庄内地域を中心に導入されています。こちらは、大型作業機を用いて高速で作業する技術体系が普及しつつあります。
 高密度播種苗移植栽培は、苗箱1箱当たりの播種量を増やし、移植時の苗のかき取り量を減らして移植する方法で、面積当たりの使用苗箱数を減らすことができます。通常の栽培とほぼ同じ管理で育苗にかかる経費が削減できるため、普及拡大が進んでいます。しかし、育苗日数が長くなると通常の場合と比べて苗が老化しやすく初期生育量が確保しにくくなるため、適正な育苗期間で管理し、適期を逃さずに移植する必要があります。
 各栽培技術の特徴を把握し、ご自身の経営に最適な技術の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

2025年12月22日 複式簿記の記帳

 年末を迎え、今年の農業生産を振り返り、今後の経営について相談・検討している方も多いのではないでしょうか。経営状況をしっかり把握するには、複式簿記記帳に基づいた決算書が最も重要な資料となります。
 一般に、簿記記帳の方法は、単式簿記と複式簿記に分類されます。単式簿記は、主に収入と費用について記帳するもので、比較的簡単に1年間の農業所得を計算できますが、収入や費用の記帳もれがあると、正確な経営状況が把握できなくなる恐れがあります。
 一方、複式簿記では、収入、費用に加えて、現金・預金・機械・施設、売掛金などの資産に関する科目や、借入金、買掛金などの負債に関する科目についても、仕訳のルールに基づき、漏れなく記帳します。こうすることで、正確に農業所得を計算できることに加え、財産状況が明らかになるため、今後の経営判断がしやすくなります。
 簿記記帳用のパソコンソフトが市販されていることから、パソコンで記帳を始める方も多くなっています。農業技術普及課では、簿記の講座などで、複式簿記の方法を基礎からわかりやすく指導しています。新年からの複式簿記の記帳開始に向けて、準備を進めてみてはいかがでしょうか。

2025年12月19日 農業青年組織

 令和7年度の県内の新規就農者は405人で、調査開始以降最多となりました。
 新規就農された皆さん、これまでの農作物の栽培管理や経営はいかがでしたでしょうか。農繁期が過ぎ自分の活動について見直している時期だと思います。就農したものの、栽培管理や農業経営について相談したり、悩みを話せる同世代の農業者がいない、横のつながりを作りたいがどうすればよいか分からない、と感じていませんか。
 県内には、20代~40代の若手農業者で構成される農業青年組織があります。同じ経営品目で構成された組織では、栽培技術の研修会や、お互いの圃場の視察等を行っており、農業者同士の情報交換の場としてだけではなく、技術力向上にもつながっています。異なる経営品目の農業者で構成された組織では、広いつながりができています。
 県内各地域では、17の青年農業組織が活動しています。詳しい内容を知りたい方は、ぜひ最寄りの農業技術普及課にお問い合わせください。

2025年12月18日 山形県産の美味しいお肉

 山形県には、美味しいお肉がたくさんありますので御紹介します。
 まず初めに牛肉、「総称山形牛」です。「総称山形牛」は、甘みがあり、かつ質の良い脂肪と、旨味の多い赤身がバランスよく入った、きめ細やかなサシが特徴です。また、不飽和脂肪酸の割合が高い脂肪は融点が低いため、口の中に入った途端に溶け出し、脂肪の甘味と赤身の旨味が広がり、大変美味しいと評価されています。
 次は、豚肉です。県内にはいろいろな銘柄豚があります。各地の生産者が高品質で美味しい豚肉を生産するため、品種の組合せや飼料などに工夫を凝らし、銘柄豚を生産しています。それぞれの銘柄豚毎に独自のおいしさがありますので、是非、食べ比べてみてはいかがでしょうか。
 最後は鶏肉です。「やまがた地鶏」は、赤笹シャモと名古屋種をかけ合わせて生まれた交雑種を父とし、横斑プリマスロックを母として生産されている肉用の地鶏です。それぞれの品種の特長を受継ぎ、コクと適度な歯応え、そして旨味に優れているのが特長です。
 県産の美味しいお肉を、お店や御家庭の色々なお料理で御賞味ください。

2025年12月17日 GAPに取り組みましょう

 「GAP」とは、「農業生産工程管理」と訳され、農作物の生産過程で起こりうる事故やトラブルを未然に防ぎ、農業経営全体を適切に管理する手法です。
 具体的には、農作業の手順をルールとして定め、点検と改善を繰り返しながら、より安全で安心な農産物を生産する取組です。
 例えば、農薬の残留事故防止のため、「農薬散布前に防除計画と最新の使用基準を確認し、散布後は防除記録を必ず行う」といったルールを作成します。栽培期間中は、このルールに従って作業を行い、栽培期間終了後に実施状況を点検します。その際、防除記録の記載漏れなど、不備が見つかった場合にはその原因を分析し、次回改善を図ることで、農産物の安全性を高めていきます。
 また、「GAP」は、適切な資材管理によるコスト削減、整理整頓による作業の効率化、そして何よりも労働安全の確保が図られるなど、生産者自身の経営改善ツールとしても非常に有益です。経営改善の必要を感じている方は、是非取り組んでみてください。
 詳しくは、山形県農業情報サイト「やまがたアグリネット」の「GAPの取組について」のページをご覧いただくか、県庁の農業技術環境課にお問い合わせください。