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農業一口メモ

2025年11月21日 今年の米づくりの振り返り

近年、極端な天候となる年が多く、それに伴ってイネの生育も年次変動の幅が大きくなっています。特に今年は、7月以降の高温により出穂期や成熟期が大幅に早まりました。
このような中、高品質米の安定生産には何か必要か、今年を振り返って、反省点を整理しましょう。
まず、想定した収量・品質が得られたか確認し、品種構成の見直しや規模拡大に伴う機械や装備の導入等を検討します。田植え機やコンバイン等の作業機や乾燥調製施設が効率的に稼働し、適期適作業が実施可能な来年の作付計画を立てましょう。
また、水田ごとの稲の生育、収量や品質、食味等のデータを振り返り、個別の技術について確認しましょう。土づくり、育苗、移植、水管理は適切に行うことができたか、施肥は適量であったか、適期に収穫できたか、整理しましょう。異常気象に対応できるように、反省点は改善策を講じて、来年の準備を進めましょう。また、各地域で開催される栽培研修会に積極的に参加する等、栽培に関する情報を収集して、知識や技術を高めましょう。
そして、来年も、適正な管理に努め、最高品質の米を全国の消費者に届けましょう。

2025年11月20日 防除計画の作成と点検

施設栽培や果樹の収穫後防除を除き、今年の防除作業は、ほぼ終了する時期となりました。今年は病害虫による被害を適切に防ぐことができましたか?
防除履歴と病害虫による被害状況を振り返ることで、「いつの時期」に「どんな薬剤」を使用するのが最も効果的かが明らかになります。そのためには、農薬を使用した際に、常日頃から帳簿等へきちんと記録しておくことが重要です。
また、この記録を参考にして次年度の防除計画を作成し、合わせて計画に採用した農薬の使用基準を点検しましょう。特に各薬剤の「希釈倍数や使用量」、「収穫前使用日数」などの「使用時期」、「有効成分ごとの使用回数」が使用基準に適合しているかを必ず確認します。農薬の登録内容は変更されることがあるため、やまがたアグリネットなどで確認し、最新の情報をもとに点検しましょう。
適切な防除計画を作成することで、効率的で適切な防除につながります。来年に向け、今年をしっかりと振り返り、より良い防除計画を作成しましょう。

2025年11月19日 農業経営の法人化

近年、人材確保や経営継承等を目的として、農業法人の設立が増加しています。農業法人の組織形態にはいくつかありますが、農事組合法人または株式会社のいずれかを選択するのが一般的です。
農事組合法人は、農業協同組合法に基づき、設立には3人以上の農業者が構成員となることが必要です。議決権は1人1票制で、多数決による意思決定が行われます。また、設立時に登録免許税が免除されるなど、税制上有利な面もありますが、事業内容は、農業とその関連事業に限定されます。
一方、株式会社は、会社法に基づく法人で、1人でも設立することが出来ます。議決権は出資金額に比例するため、迅速に意思決定を行うことが可能です。また、事業内容に制限は無く、農業以外の事業も行うことが出来ます。
農業法人を設立する際は、税理士などの専門家と相談し、法人の特徴を十分理解するとともに、家族や組織内で十分に話し合い、互いに納得のうえで設立するようにしましょう。

2025年11月18日 りんごやなしの「腐らん病」対策

りんごやなしの樹に発生する「腐らん病」は、枝や幹を枯らしてしまう病気で、被害が広がる前の防除対策が重要です。地域全体で園地を巡回し、発病した主枝や側枝を一斉に取り除くことが被害の拡大防止に有効です。
若い枝に発生する「枝腐らん」は見つけしだい切除します。また、幹の部分に発生する「胴腐らん」は、病斑部周辺の健全部も含めて大きめに削り取って塗布剤を処理しましょう。
この病気は、剪定時の切り口や雪害による枝折れの傷口からも感染します。切り残し部分が長いと感染しやすくなるので、剪定の際は、枝の基部から丁寧に切り落とし、その日のうちに切り口に塗布剤を処理しましょう。
また、11月~3月の間は「腐らん病」の胞子の飛散が盛んになるため、冬を迎える前の防除が重要です。発生が見られる園地では、収穫が終わりしだい、薬剤を散布して、冬期間の感染を予防します。
さらに、適正な樹勢を維持して病気にかかりにくくすることも重要な対策となります。樹勢をよく観察し、樹が弱らないような剪定作業を心掛けましょう。

2025年11月17日 日本人の主食「お米」の話

収穫の秋を迎え、今年も山形県産のおいしい新米が発売されています。みなさんはもうお召し上がりになりましたか?
今日は、お米の栄養について紹介します。
食品中に含まれるタンパク質を評価する指標として、「アミノ酸スコア」が用いられます。100に近いほど良質であることを示しており、米は精白米の数値で65、小麦は中力粉の数値で41なので、米の方が人に必要なアミノ酸のバランスが良いと言えます。さらに玄米で食べるとビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に摂取することができます。
ご飯に味噌汁や納豆などを組み合わせた典型的な和食は、栄養的にも理にかなった食べ方と言えます。米と豆はそれぞれ持っている必須アミノ酸が異なるため、組み合わせて食べることで、お互いに少ない必須アミノ酸を補うことができます。
この新米の時期、炊き立てのご飯を味わいながら、米が持つ優れた栄養価を再確認するとともに、日常的にお米を食べる日本の食文化を見直してみませんか。