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農業一口メモ

2025年8月15日 大豆の病害虫防除

大豆は、莢の中の子実が肥大する時期を迎えています。8月下旬から9月上旬は、大豆の病害虫の中でも大きな被害を及ぼす紫斑病とマメシンクイガの防除時期にあたります。
紫斑病に感染すると、大豆の表面が紫色に変色した紫斑粒が発生します。紫斑病は、開花期から40日間ぐらいが感染期で、気温が25℃以上で多湿になると感染しやすくなります。防除適期は開花後25日から35日の間です。薬剤散布は、薬液が莢まで十分付着するよう丁寧に行います。
マメシンクイガは、卵からふ化した幼虫が莢の中に入り、子実を食害する害虫です。大豆を連作している圃場ではマメシンクイガの生息密度が高まりやすく、被害が大きくなります。できるだけ連作を避けることが大切ですが、昨年、マメシンクイガの被害があった圃場で今年も大豆を作付けしている場合は特に注意が必要です。薬剤防除の基本は、二回の適期防除で、一回目を8月25日頃に行い、その10日後に二回目を行います。
一回目の防除適期は紫斑病の防除適期と重なるので、8月25日頃に同時防除を行いましょう。
この二つの病害虫は、収量だけでなく品質にも大きく影響するので、適切な防除に努め、高品質な大豆を生産しましょう。

2025年8月14日 ストックの初期管理

本県で生産が盛んな切り花であるストックの初期管理について紹介します。
まず、栽培するハウスの準備です。ストックの主な害虫被害に、コナガによる葉の食害があります。ハウスに成虫が侵入するのを防ぐため、ハウスサイドや褄面の開口部に、目合い1㎜程度の寒冷紗を張りましょう。
ストックの発芽や生育の適温は20℃前後です。移植栽培では、定植の1週間前には、屋根に50%程度の遮光資材を被覆して、予め気温や地温を下げておきましょう。
次に、播種から生育初期の管理についてです。移植栽培の場合は、苗を適期に定植することが重要です。播種から概ね3週間後、本葉が3~4枚展開した頃が定植の目安になります。直播き栽培の場合は、発芽や初期生育を揃えることが重要です。土畑では、播種から4週間程度、土壌水分が均一になるように噴霧散水チューブを用いて、1日2回を目安に灌水しましょう。 
遮光資材は、移植栽培では定植7日目を目安に、直播き栽培では八重鑑別終了後に外しますが、環境が急激に変化しないよう日中を避けて夕方に外しましょう。

2025年8月13日 秋野菜の栽培のポイント

秋野菜の播種時期が近づいてきました。この時期から栽培できる野菜は、白菜や大根、青菜など様々な品目があります。今回は、それぞれの生育特性に合わせた栽培のポイントを紹介します。
一つ目は播種時期です。品目ごとに適期があり、早すぎると病害虫が多発し、収穫ができなくなるので、早播きは避けましょう。播種時期の目安は、村山地域平坦部を例にとると、白菜は8月15日から23日頃、大根や青菜は8月25日から9月5日頃までです。近年は温暖化の影響で、秋の気温が高く経過する年もありますので、天気予報を参考に、適期に播種ができるように圃場の準備を進めましょう。
二つ目は土づくりです。過剰な施肥や微量要素の不足は、様々な生理障害を引き起こします。そこで、播種前に完熟堆肥や石灰資材を施用します。また、基肥は品目ごとの適正量とし、ホウ素等を含む微量要素肥料もあわせて施肥し、土づくりに努めましょう。
秋野菜の播種に向けて、栽培のポイントを押さえながら、圃場の準備や肥料の設計など計画的に準備を進め、実りの多い秋を迎えましょう。

2025年8月12日 家族経営協定

家族経営協定は、農業経営の方針や農業における家族一人一人の役割などを家族で話し合い、明文化したものです。
家族経営の場合、生活と農業経営の境目がなくなり、役割や就業条件が曖昧になりやすいため、経営効率の低下や家族内での対立の原因となることがあります。農業経営を魅力的でやりがいのあるものにするためには、家族の全員が主体的に経営に参画し、個人の能力を発揮できる環境を整えることが重要です。
家族経営協定を締結した農家からは、「目標や役割分担が明確になったことで、仕事の効率化が図られ、各自が責任を持って仕事にあたっている」、「将来の農業経営について積極的に話し合うようになり、仕事についてのコミュニケーションが増えた」などメリットが大きいとの声が聞かれます。
家族間のルールを協定として明確にすることで、5年先、10年先のビジョンを見通し、これからすべきことを整理できます。農業経営においては作業分担や目標について、家庭においては理想の暮らし方などについて、家族でじっくり話し合いを行いましょう。家族経営協定について、詳しく知りたい場合は、お近くの農業技術普及課までお問合せください。

2025年8月11日 切り花ダリアの電照

県産の切り花ダリアは、秋に出荷最盛期を迎え、露地栽培では霜が降りるまで収穫が続きます。 
ダリアは、1日のうち、明るい時間が14時間以上ないと花芽が正常に分化・発達せず花弁数が少なくなる、露心花と呼ばれる商品価値の低い花が増えてしまいます。対策として、蛍光灯やLED電球などで電照を行います。この電照は、冬期間も出荷継続する施設栽培では、必須の設備です。露地栽培でも、収穫期後半の露心による品質や収量の低下を抑えられます。
まず、電照の設定について説明します。電照は遅くともお盆明けまでには開始し、収穫終了まで続けます。点灯時間は、朝は4時半頃から明るくなるまで、夕方は暗くなる前から18時半までです。露心しやすい品種では、朝夕ともに30分程度点灯時間を延長します。
次に、電照の設備についてです。電源と24時間タイマーが必要です。光源には20ワットの電球型白色蛍光灯等を用います。LED電球は、商品により効果の有無があるので、導入前に確認する必要があります。ソケットは防水タイプを使います。
設置方法は、間隔を約270cm、地面からの高さを約180cmに設置します。圃場の明るさは、新聞が読める位が最低限必要です。