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研修受入れ農業法人の紹介 「斉藤果樹園 」

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「新規参入者の人材を求む」
〔氏名〕斉藤善雄  
〔年齢〕60歳(斉藤果樹園)
〔市町村〕東根市神町中央一丁目11−7  
 「二十年前、独自にりんごジュースを搾ったのがきっかけになった。地元で売ろうと思っても全然売れない。旨いとは言ってくれるが、決して買ってはくれない。旨いのと買ってくれるのとは全然違うことがわかった。その時友人から東京に行って売ってはどうかと言われ、右も左もわからなかったが、思い切って、東京の有名デパートで対面販売をしたことが、今につながっている」と語るのは、東根市神町の斉藤善雄さん(60歳)。
 斉藤さんは、果樹園6.4haを経営し、従業員15人で生産、加工、販売まで手がけ全量通信販売できる安定経営を目指している。現在株式会社化を目指しながら準備に入っている。
 「昭和六十年頃、私がちょうど40歳で、バブルの全盛期、とにかく売れた。ジュースは箱で売れ、完売。お客様の自宅へ送る伝票を借りてきて、ホテルで住所を書き、朝の内にデパートへ返すという繰り返し。当時、年間百四十日は県外出張でビジネスホテルに泊まった。そのことが通信販売をやる大きな足がかりになった」と続ける。「当時、従業員は3、4人だった。私に味方したのはバブルの景気と空港が近くにあったこと。それがなかったら、ここまでこれなかった。今は、こちらから販売先を選んで行けるほど信頼が深まっている。自分の原点は何かといつも考えるのだが、やはり自分がいいものを作っていることと、お客さんが満足する品物づくりだと思う。十年間売れ続けたジュースが、バブルがはじけるとパタッと売れなくなった。そこで今度は生もので勝負した」と斉藤さん。「今度は、さくらんぼ、りんご、ラ・フランスを持って行った。デパートの対面販売のスペースは六尺棒、二台。一台で一日十万円の売り上げ、これでは田んぼは作れない。消費者はどういうものを好むのかがわかってきた。東京の金持ちは見栄っ張りの所もある。あくまでお菓子を売るセンスが大切」とも語る。
 斉藤さんは、県で実施している研修事業の受入経営者でもあり、平成十六年度の経営革新事業の研修生二人を雇用している。また、東京で行われたニューファーマーズフェアにも参加し、ヤル気のある若い人材を求めている。「これからは、農業の人材が面白い。作物を作る技術は持っているので、経営のノウハウを伝授すれば、かなりの面積をこなせるようになる。これからの農業は世襲ではない。給料をやるから働くというのではなくて、土地の財産を含め、一緒に経営管理できる人材を求めて行きたい。山形県のブースで出合った人から連絡が入り、今度、遊びに来てくれることになった。農業をやりたいという気持ちが伝わってきた。今度参加する時には、会社のプロフィールを作って独自にブースを設け、若い人たちと出合うことを楽しみにしたい」と意欲満々。
 「果樹づくり四十年。やみくもに肉体労働をしてきたが、これからはノウハウをどのように若い人たちに伝えていくのかが私の課題。私たちは、いいお客さんを持っているので、いろんな付加価値をつけて、自信を持って金額を提示できる。いくら作っても売れない、安いと一般的に言われるが、対農協、対市場だけでは生活基盤はつくれない。朝から晩まで働いても利益は上がらない。営農資金を借りて生活をするというのが私の前半の二十年間だった。その道から方向転換させたのが、うちの母ちゃん。私は、うちの母ちゃんが望むやり方を選択したわけです」と当時を振り返る。「いや実は、母ちゃんから離婚を迫られた。私が38歳の頃だった。『ただ働かせるばかりで、自由もない、小遣いもない生活だったら、貴方が嫌いなわけではないがこういう環境に埋もれるのが嫌だ。私は離婚したい』というわけ。そういう背景もあり、東京へモノ売りに行ったわけです。『んだら通販だべや。住所残らず書いてこい。私が“便り”を書く』ということになった」。今、真相が明らかにされる。二十年間、斉藤果樹園の「果樹園の朝だより」が、奥様の富美子(57歳)さんの手によって執筆され、生産者と消費者をつなぐ大きな橋渡しの役割を果たしてきた。農薬問題で県内が揺れた時にも、お客さんは微動だにしなかった。逆に、農業に取り組む姿勢に注目が集まったと言う。
 「時代が大きく変わり、国、県も自分の物は自分で売れというように方針が変わってきた。私もようやく胸を張ってやれるようになった。東京に行って感じるのは、今、食べている物が安全な物であるのか、誰がどこで作ったのか、きわめて敏感なこと。そこから生産の基本的考え方を学びたい。また、農業は太陽の下で働けるという良さをあらためて感じる。今日食べて明日無くなるような、これだけ消費できる物を作れるのは農業をおいてはない。人類が存続する限り、農業は存続する。他産業の力も借りながら、どうやって生産性を上げ、安全・安心な物を作れるのか、これからますます農業は面白くなっていく。それだけにいい人材が欲しい。」斉藤さんはこられるいろんなお客さんをさばき、携帯で返事をしながら斉藤果樹園の明日を夢見ている。

執筆者 
 中村 正俊
 山形県農業会議 http://www.yca.or.jp/
E-mail kaigi@yca.or.jp
 電話 023-622-8716
FAX 023-634-8640



発信者/山形県立農業大学校研修部 山崎彩香

問合せ先/山形県新庄市大字角沢1366

更新日/2005年 10月 25日

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