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新規就農奮闘記11 〔我妻飛鳥さん〕
「感謝と恩返し」農業を始めてから特に感じているのが、地域の方々のあたたかさです。
就農当初から地域の、特にご近所の年配の方々は私達の就農を喜び、応援してくれました。慣れない手つきで農作業をしている私にたびたび声をかけ、いろいろ教えてくださったり、時には手伝ってくださったりと本当にお世話になっています。
それまで気づかなかった、まわりの人の優しさをしみじみと感じています。
農業って奥が深いし、大変な事も多い。
自分が身をもって体験したからこそ、今ほど機械化が進んでいなかった時代の農業の先輩方の苦労は計り知れないものだろうと改めて感じます。
さまざまな苦労や経験を経て、現代まで農業を繋いできてくれた先輩方は本当にすごいと思いますし、その努力と強さには尊敬の気持ちでいっぱいです。
もちろん、農家を営みながら自分を育ててくれた家族への感謝の気持ちもまた、いちだんと大きくなりました。
農家で産まれ育ち、さまざまな思いや葛藤もありましたが、それを踏まえて私達は守るべきものは守り、悪しきものは改善しながら、農家として前に進む糧にしていこうと思います。
会社勤めの時は周りや天候の様子なんて、たいして気にもとめてはいませんでしたが、今は天気が仕事にダイレクトに影響するし、自然の移り変わりなども肌で感じています。
地域のあたたかさにつつまれて、大自然の中で助け合いながら生きていけるというのは、本当にありがたい事だと思っています。
私達にできる、これから先の未来につながる農業ってなんだろう?
明るく楽しく取り組める農業にする為に、自分に出来ることはなんだろう?
常に頭の片隅で問いかける自分がいます。
きっと、今の私に大それた事は出来ないですが、
私達がひたむきに楽しみながら日々農業に携わり、生き生きとすごしていく事が小さいながらも大切な事なのではないかと思います。
人口が減りつつある田舎ではありますが、私達は地元であるこの地域に根付いて生活していく事で、農業を楽しみながら取り組む事で、そしてその背中を子供世代にみせていく事で、少しずつでも地域活性化の土台の基礎固めにつながるような気がするのです。
笑伝では、地域の子ども達に農業に触れてもらう場として、毎年保育園の園児にすいかの収穫体験に来てもらっています。
幼い園児には真夏の暑い中で少々ハードなすいかの収穫ではありますが、その分食べる時の喜びや美味しさも感じてもらえるのではないかと思います。そういった活動を少しずつ広げていく事で、食材が食卓に上がるまでの道のりを知ってもらい、生産者と消費者の距離を縮めていきたいと考えています。
SNSでもたまに畑の様子や販売情報など発信して生産の現場を身近に感じてもらえればと思っています。
また、今でこそだいぶ女性農業者が取り上げられるようになってきましたが、これまで農業が抱える課題の1つとして、女性が孤立しがちだった部分があったのではないでしょうか。家業で働く一員として、女性も楽しめる農業でなくては、農業の未来が明るいとは言えないのではないかと私は思っています。
幸い、今は農業をする女性を応援、サポートしてくれる機関や機会も増えているのは大変嬉しく思います。
私は農林水産省の農業女子プロジェクトに数年前から参加しています。
農業女子プロジェクトを通して、農業する女性を応援してくれる企業さんと一緒に、農業用の商品開発に携わったり、新商品のモニターとして便利な商品を知る事ができたりする機会がありました。
また、そういったプロジェクトに参加する事で、全国の農業女性と関わる事ができ、勉強になったり良い刺激になったり、SNSでお互いの情報を知る事で励みにもなり孤独感はかなり軽減された様に思います。
こういった経験から、女性がより楽しみながら前向きに農業に取り組むために、女性農業者同士のつながりの大切さを感じるようになりました。
そして今は、県内の農業女子プロジェクト参加メンバー数名と共に、「山形農業女子ネットワーク」の設立に向けて動いています。
山形農業女子ネットワークでは女性農業者同士の交流の場としてだけではなく、それぞれがより自分の経営に活かせるようなスキルアップができる場として活動し、女性も積極的に農業経営に関われるように発展していければと考えています。
農業をはじめて、これまでもいろんな出会いやつながりから、いろんな経験をさせていただく機会も増えました。つまらなくするのも楽しくするのも自分次第。
これからも自分が目標、目的を持って、それに向かってしっかり行動する事で、より明るく!楽しく!農業をしていきたいと思います。
妻側の話として私が担当する記事は今回が最後となります。
虫も触れず嫌々ながらスタートした私が、なんとか前向きに今も農業に取り組めているのだから、少し興味があったり意欲を持っている皆様ならきっと大丈夫です!
お読みいただきありがとうございました☆
問合せ先/TEL:0233-22-8794 FAX:0233-23-7537
更新日/2018年 12月 28日
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