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新規就農奮闘記12 〔川井大輔さん〕

農業を目指す方々へ

 みなさんこんにちは!
 全12回のメルマガも今回で最後になります。1年間読んで頂きましてありがとうございました。
 こうして文章にするのはなかなか難しい作業でしたが、自分の今までを振り返ることが出来てとても良かったと思います。

 新規就農した年、西村山農業技術普及課の先生からこう言われました。
 「研修でやった事が頭に入っているようで実は欠けている部分が有る。まずは作業を全部時系列で書き出して、解らない所や記憶が曖昧な所は調べて書き足す。そうすれば困った時は書き出した物を読み返す事によって作業はズムーズになるし、時間も節約になる。きっと役立つからやってみなさい。」と。
 いや、これは正直に言うと、その時は凄く嫌だったんですよ・・・。面倒だな~って思いながら、普及課の先生とマンツーマンで何日かかけて書き終えました。実際に就農すると普及課の先生の指摘通り、2年間やった研修では全てを習得しきれて無かったんです。そりゃあそうですよね、研修生とは言っても実質はただの労働力ですから、一から十まで全部をきっちり教えてなんて貰えません。そこで実際に自分でやりだして本当に書き出した物が役に立って、あの時はあんな嫌々やってしまって申し訳ないという気持ちになりました。普及課の先生って皆さん頭が良いと思うのですが、どうも西川町には居ないタイプの押しの強い方が多くて正直苦手でした。でも今は素直に感謝しています。古賀先生(だけではありませんが・・)ありがとうございました。何とか頑張ってます!

(地域おこし協力隊をもっと活用したら?)

 東日本大震災直後は食糧生産という仕事に意識が向いた方が多かったと思います。あれからもう7年になりますが、関東圏での雇用も回復基調にあるようで、以前に比べると就農を目指す方が少なくなったような気がします。東京での新・農業人フェアなども出店ブースが飽和状態で、完全に需要と供給のバランスが崩れているように思います。さらに言えば、各自治体の勧誘合戦もヒートアップし、受け入れ組織を作ってより有利な条件を提示できるように各自治体も動いているようです。

 私は役場に散々言い続けているのに実現していませんが、全国各地には地域おこし協力隊の制度を農業分野に利用している所が多くあります。法人でも個人でも農家に研修に行くと当然農家が賃金を支払う事になりますが、地域おこし協力隊であれば農家が賃金を支払う必要がないのです。人を1人雇って年間通してお金を払うというのは簡単なことではありません。賃金を払ってしまうと、どうしても雇用主は研修生を継続的に労働力として扱いたくなるものです。時間をかけて技術を教えたんだから、研修終わってもうちで働いて返すのが当然だという気持ちが出てきます。私も前職で若者を雇って育てた事はありますのでそれは解りますが、独立就農を希望して研修に来たのに囲い込まれそうになるのは非常に困ります。私の個人的な理由で言えば、私が独立就農するときには子供4人の6人家族だったんです。その家族を養うためにも、受け入れ農家でそのまま働いて月給35万円貰えるならいいんです。でも今の農業で月給35万円はなかなか難しいですよね。月20万円では生活出来ない、だから独立するんですよ。そういう意味で1つの農家に入って賃金をもらうよりも、地域おこし協力隊でお金を貰っていくつかの農家をハシゴしながら研修する。受け入れる農家も賃金は払わなくて済むし、繁忙期にはみんなで上手く調整すれば人手不足解消にもなる。研修生は色々な農家と作目を見ることが出来るし、その中で気に入った場所、気に入った人の下で就農すればいいのです。

 農家は賃金を払わずに済むし、自治体は地域おこし協力隊の活動実績も出来て、もしかしたら就農定住もあるかもしれない。都市部から地方に人を動かすのが目的の制度ですから、上手くいけばみんなが得すると思うのですがいかがでしょうか。さらに言うなら一自治体だけにとどまらず、例えば西村山郡の1市4町で合同で協力隊を運用すれば、各市町村で微妙に違う作目の繁忙期をカバーできるのではないかと思っています。極端ではありますが、そのぐらい発想を飛躍させて枠組みを超えないと、相変わらずの縦割り行政ではこの局面を乗り切れないと思います。

「就農を目指す方へ」

 上にも書きましたが、色々な自治体で地域おこし協力隊の制度を農業分野に活用しています。勿論、地域おこし協力隊の制度にも様々な問題点があるとは思いますが、研修から就農を目指す方は一つの選択肢として頭の隅にでも置いておくといいかもしれません。他の農業分野の研修制度と違い、私の個人的な意見ですが、総務省管轄の地域おこし協力隊制度を農業分野に使うという事は、その自治体の考え方が比較的柔軟なのではないかと思います。農業はあくまでも農林水産省の管轄です。役所は愚直なまでに縦割りですから、横に動ける自治体はきっと風通しがよくていい方向に進むと思います。

 この農業という仕事は特別なものでも何でもなく、昔はみんな大なり小なりやっていたものです。それが時代とともにこのような担い手不足という事になってしまい、いつしか農家自身が我々は特別な存在だと勘違いしてしまっています。もっともっと門戸を広げ色々な人に入ってきて貰いたい、新しい風をどんどん入れて農業を地域を盛り上げていきたい、そう思います。農業含め、食糧生産という仕事は無くなりません。人間がいかに知恵を絞ろうとも、太陽と水と大地の恵みには勝てません。そんな農業という仕事に興味が少なからず有る方、是非とも1歩踏み出してみてください。きっと何かが見つかると思います。

 またいつかどこかでお会い出来る日まで。1年間ありがとうございました!  

                                         にしかわtotoko農園 川井大輔

JA西川支部青年部で栽培した雪下人参
JA西川支部青年部で栽培した雪下人参

青年部で手掛けた雪下人参を西川町長へ(左が筆者)
青年部で手掛けた雪下人参を西川町長へ(左が筆者)


問合せ先/TEL:0233-22-8794 FAX:0233-23-7537

更新日/2018年 1月 31日

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