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新規就農奮闘記9 〔川井大輔さん〕

中山間地の農業とは?

 みなさん、こんにちは!
 あれよあれよという間にもう11月ですね。このメルマガも早いもので9回目になります。毎月原稿の催促を頂き、書き終えたと思ったらもう次です。毎回提出が遅くなってすみません・・・。しかし時間の経つのは早いですね。それだけ歳をとったという事でしょうか(笑)

「中山間地の農業とは?」

 今回は、中山間地の農業について思う事を書いてみたいと思います。
 中山間地と一口に言っても色々ですが、「農地が一定以上の傾斜地である」のが中山間地と定義付けられるようです。傾斜地であれば農地の段差が大きくなりますので、畔が数mあるのも珍しくありません。私の田んぼでも畔が4mほどの高さの所があります。農地は四角ではなく、何とも歪な形をしている所も多々あります。決して効率が良いとも言えませんし、標高が若干高くなりますので、作物の生育に影響を及ぼすこともあります。
 しかし悪い事ばかりでもありません。私の田んぼで言えば、まず水が良いという事が挙げられます。少し上の田んぼだと水路より上には集落が殆ど存在せず、故に生活雑排水が混じる事がほぼありません。真夏でもひんやりとした冷たい水は、米の味を格段に引き立ててくれる事でしょう。ただ、夏でもかなりの冷たさなので、米の生育はどうしても遅れがちになります。
 研修で知り合い独立就農した人の中に、それこそ山の中で放棄地を開墾して山水で田んぼをやってる人が居ます。これが無肥料無農薬となると、米作りとしては究極の形ではないでしょうか。その並々ならぬチャレンジ精神に感服するばかりです。

 次に中山間地で利点としてあげられるのが、気温だと思います。日中と朝晩の気温差が大きくなりますので、その分作物は旨味を増していきます。また、最高気温が若干ではありますが低めになりますので、通常夏場には出来ない作物を作る事も可能です。西川町の大井沢地区ではその冷涼な気候を生かし、夏にほうれん草を栽培しています。また、枝豆なども寒暖差のおかげで旨味が増し、市場で高い評価を受けています。

 以上は良い点としてあげましたが、やはり悪い部分もあります。まず効率化がどうしても難しいので、大規模農家をしたい人には向かないと思います。また、土地の段差が大きい事で草刈りなどの作業量が増えてしまう事もあり、離農する人がどんどん増えて行きます。次世代の担い手となる人材もなかなか集まらず、先行きは厳しいものである事は間違いありません。しかし、中山間地のような場所にこそ魅力を感じる人も居るのも事実ですから、自治体は諦めることなく、人材確保に最善を尽くして欲しいと思っています。

「飼料用トウモロコシの可能性」

 ご存じの通り、日本の米消費量は毎年8万トンずつ減ってきています。国民1人あたりの米消費量も右肩下がりで、人口減少や食の欧米化、労働形態の変化(カロリー消費の多い1次産業から、比較的カロリー消費の少ない3次産業へ移行した)など、様々な要因が絡み合っているようです。テレビなどでも時々取り上げられていますが、家に炊飯器が無いとか、1週間に1回しかお米を食べない人(その1回もコンビニのおにぎり)も実際に居るそうです。米を作る側としても、それを事実としてしっかり受け止めなければいけないと思います。毎年消費が減って行けば、米の在庫がダブついて価格が下落するのは当然です。米の消費が増えて価格が高値安定するのが一番ですが、最早それも実現不可能だと思います。これも時代の流れなんでしょうね。

 先月の最後にも書きましたが、10月4日に山形県飯豊町で飼料用トウモロコシの収穫実演がありましたので参加してきました。この飼料用トウモロコシは子実だけを取るもので、茎や葉ごとロールにするタイプの物とは違います。子実だけ取る事により、牛だけでなく豚や鶏にも与えることが出来ます。その飼料用トウモロコシを普通の汎用コンバインで刈り取るというやり方で、各地で試験栽培から本格的な栽培へ移行していく段階にあります。技術的にまだまだ改善の余地はあるようですが、何と言っても10アールあたりの労働時間が水稲や大豆やソバに比べて格段に少なくなる利点があります。現在は飼料用トウモロコシの多くを輸入に頼っている(年間で1500万トン)のが現状で、逆に言えばその輸入分を国産に置き換えるだけのチャンスがあるという事になります。価格的な折り合いが付けばという事にありますが、膨大な量の需要が確実に存在し、そこに切り込める可能性がある作物はそう多くないと思います。

 この飼料用トウモロコシが中山間地の農業とどう繋がるかという事ですが、先にも書きました通り、中山間地では担い手不足がより顕著です。これから更に減っていく労働力で農地を維持していかなければなりません。今までのように、段差のきつい水田で米を作り続けるのはいつか限界がくると思っています。そこで、面積当たりの労働時間がより少ない飼料用トウモロコシに徐々に移行していく。そうすれば減っていく労働力でもある程度まではカバー出来るのではないかと考えます。

 来年度、個人的に飼料用トウモロコシの試験栽培をするつもりで居ます。まずはやってみてどういった問題があるか、ここでも本格的にやれるのかどうか検証して行き、いずれは自治体や農協と組んで本格的な栽培が出来れば良いなと思っています。

汎用コンバイン
汎用コンバイン

汎用コンバインでの飼料用トウモロコシ刈取り
汎用コンバインでの飼料用トウモロコシ刈取り

小学校での稲刈り体験
小学校での稲刈り体験


問合せ先/TEL:0233-22-8794 FAX:0233-23-7537

更新日/2017年 10月 31日

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