[質問]

 どうして、外国から輸入しているお米を備ちくしているのか。
[答え]

 もし不作になって米が不足すると消費者が買って食べることができなくなります。備ちくは、こうしたことが起こった時に、消費者が安心していつでもどこでも米を買えるようにするためのものです。備ちくする量は、だいたい150万トン(政府140万トン、民間10万トン)を目安にして、少し増やしたり減らしたり調節することにしています。

 備ちくする米は、だいたいが、国内で生産されて政府が買った米ですが、これに、外国からの輸入米をたすことがあります。また、輸入米を備ちくするのは、人間が食べる分だけではありません。1997年には輸入米19万トンを「家畜のえさ」用に備ちくしました。

 では、輸入米とはどんなものなのでしょうか?日本のお米はジャポニカ種の米つぶが丸い米です。輸入米で丸いつぶのものは中国産です。そのほかには、カリフォルニア産、オーストラリア産のコシヒカリなどがあります。 でも、輸入米のほとんどは、インディカ種のつぶの長い米で、カリフォルニア産、オーストラリア産のほか、タイ産、ベトナム産、インド産です。

 1998年に輸入された米の使いみちをみると、みそやせんべいなどの加工用に28万トン、食用に10万トンなどのほか、日本から食糧不足の国に輸出した米15万トンのうち11万トンが、日本が外国から輸入している米でした。

 では、日本政府は農家に米を作らせないようにしているのに、なぜ外国から米を輸入しているのでしょうか?

 外国から米を輸入することになったそもそものきっかけは、ガット・ウルグアイ・ラウンドでした。「ガット(GATT・関税と貿易に関する一般協定)」というのは、1947年に始まった、いろいろな国の間で貿易について話し合いをする会議です。「ラウンド」というのは、ガットに加入している国が集まって国と国の間の話し合いをすることです。1986年にウルグアイで始まった話し合いを「ウルグアイ・ラウンド」と呼びます。この話し合いでは、輸出や輸入を規制するのをやめたり、輸入の時の税金(関税)を下げたりすることなどが話し合われ、1993年12月にやっとまとまりました。

 米についても話し合いがおこなわれ、日本は、「貿易まさつ」をなくすため、最低でも輸入しなければいけない米の量を増やすことを選びました。

 ウルグアイ・ラウンドで決まったのは、「1995年から米を輸入するときに関税をかけるようにした場合、国が米の管理を続ける限り、最低でも輸入しなければいけない米の量は、1995年度で国内で消費される量の3%、5年後の2000年度には5%にしなければならない」というものでした。

 関税をかける方式にすると、将来、外国から日本に自由に米が入ってきてしまうのではないかと心配した政府の方針で、特別に、日本が米を輸入するときには関税をかけないことにしました。その代わりとして、1995年度は国内で消費される米の量の4%、以後、年に0.8%ずつ比率が上がり、2000年度には8%となるような輸入をしなければならなくなったのです。

 このような特別な輸入を選んだのは、米については、日本と韓国とフィリピンでした。が、韓国、フィリピンは発展途上国だからという理由で、最低でも輸入しなければいけない米の量は、10年間で1〜4%と少なく、日本だけがたくさんの外国米を輸入することになってしまいました。

 その後になって、1998年12月に、農業団体の全国農業協同組合中央会と自民党と政府の取り決めで、最初は将来どうなるかと心配していた「輸入のときに関税をかける方式」にすることになりました。

 その理由は、関税をかける方式に早く移ることより、最低でも輸入しなければいけない米の量は、関税をかけない場合の半分ですむからです。

 最低でも輸入しなければいけない米の量は、1995年度に37万9,000トンで、その後は、毎年国内で消費される量の0.8%ずつ増えていきますが、関税をかけるようにした場合、毎年増える分が半分の0.4%となります。その結果、2000年度の最低輸入量は、682,000トン(関税をかけない方式に比べて7万6,000トン少なくてすむ)となります。また、2001年以降の最低でも輸入しなければいけない米の量は、2000年の量が基準となって話し合われることになっています。

 このように、備ちくのために外国から米を輸入しているわけではありません。こうした歴史的な流れで、日本国内では米が余って米作りを休んでいるのに、日本に米が輸入されているのです。輸入したらどうやって使うかという、輸入米の使いみちの問題なのです。

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