[質問]

 「ササニシキ」「日本晴(にっぽんばれ、と読みます)」の人気が落ちていった理由と、今の品種が作られるようになった理由を教えてください。
[答え]

 「ササニシキ」は、宮城県の農業試験場で開発された品種で、東北地方の暖かい平野を中心に作られてきました。平成元年には20万ヘクタール(東京ディズニーランド4,200個分)くらい作られたのを最高に、平成10年には3万ヘクタールまで減ってしまいました。

 「ササニシキ」は、「くき」が細くて弱いため、倒れやすいという性質があります。お米がじゅうぶん実る前に倒れると、お米の品質が落ちてしまい、味の良いお米ができません。これでは、高く売ることができなくなり、農家の収入が減ってしまいます。

 また、花がさいてから、お米が実るまでの間に、気温が高い年は、未じゅくなお米が多くなり、きれいなお米が少なくなります。「ササニシキ」は、暑さに弱くて、すぐ夏バテしてしまうのです。

 「ササニシキ」の味は昔と変わらず、今でも大変おいしいお米なのですが、お米を買って食べる「消費者(しょうひしゃ)」があっさりとした味の「ササニシキ」より、ねばりの強い「コシヒカリ」を好むように移り変わってきました。

こんなことが理由で、「ササニシキ」を作る農家が減ってきました。

 「日本晴」は、愛知県の農業試験場で開発された、南の地方向けの品種です。滋賀(しが)県や山口県・兵庫県などで今も作られていますが、全国合わせても、3万ヘクタールくらいしかありません。

 「くき」が強く、病気にも強いことから、関東から九州まで広く作られました(最大で昭和51年に36万ヘクタール)が、「コシヒカリ」というもっと味の良い米が出てきたことや、「ひとめぼれ」など、各県で次々と味の良いお米の新品種が開発されたために、減ってしまいました。

 ところが、この「日本晴」は、今の日本のごはんの味の標準になっています。というのは、「日本穀物検定協会(にほん こくもつ けんてい きょうかい)」という団体が、昭和46年から毎年、全国のお米の産地から品種を集めて食べ比べをして、お米の味で品種の順位をつけてきました。

 ここで食べくらべをしたときの等級(ランク)は、滋賀県(湖南地区)産の「日本晴」を基準にして、これと、味をみたい他の産地の品種と比べて、だいたい同じくらいのものを「A’(エー・ダッシ)」、だいたい3分の1から半数の人が基準のお米よりもおいしいと答えたら、「A」、過半数の人がおいしいと答えた特に良好なものを「特A」と表しています。あまり、目立ちませんが、こんなところで活躍しています。

 これらの消えていく品種に代わって、たとえば「はえぬき」は、お米の品質が良くて、味が「コシヒカリ」によく似て、ねばりが強く、今の消費者の好みに合っています。また、「くき」が強く、倒れにくい性質があります。病気や寒さに対しても「ササニシキ」などに比べて強くなっていて、お米を作る農家の人は大変作りやすいと喜んでいます。

 今の品種は、農家の人が作りやすくて、消費者が喜んで買っていってくれるものが面積を広げています。

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