[質問]

 いつごろの時期までアイガモを水田にはなしておくのですか。
[答え]

 アイガモをいつ田んぼから引き上げるかは、地方によってちがうようです。田植え後1〜2週間くらいたってからアイガモを田んぼに入れ、イネの「いなほ」が出て花がさくころには引き上げるのがふつうです。アイガモは生まれて60日以上たつと、親と同じくらいに生長するので、イネの「いなほ」を食べてしまうからです。
[新潟県の農業試験場のT先生の答え]

 アイガモ農法についてわたしの知っている例を紹介しましょう。

 わたしの知っているのは新潟県越路町朝日というところの酒米(さかまい;日本酒の原料になるお米)をアイガモ農法でやっている例です。 ここはふだん、5,6人雑草の出るときなどいそがしいときには手伝いの人を10人以上使ってイネ作りをしています。

 春、田おこしが終わるとアイガモを入れる田んぼはタヌキやネコ、カラスが入らないように網でぐるっとかこみます。これはアイガモがにげないようにという意味もあります。連休の頃に田植えをしますが、このころにアイガモのひなを注文します。3日ほどでひながとどいて、これを2週間ほど小屋の中に集めて、野菜クズやクズ米(=うまく実らなくて売り物にならない米)で飼います。雑草を食べてくれるようにということだと思います。けっこうひなは強いので、あたたかくしていれば病気になったりはしません。ひなからイネにうつる病気もありません。

 このとき注文するアイガモは飛べないアヒルとよく飛ぶカモの子どもやまごですので、ものによっては大人になると飛んで逃げてしまいます。そこで、なるべく飛ばないタイプのひなを選んで注文します。しかたなく飛ぶタイプのひなが来たときは、田んぼのまわりにはる網を高く上の方まではります。

 10アールあたり15から20羽のひなを入れます。最初はひなが小さいですから田んぼのはじっこに小さなやねを作って雨やどりしたり、ちょっと野菜クズやクズ米を食べられるようにしてやります。ひなは小屋で飼っているときに大きくなりすぎるとイネまで食べたり抜いたりしてしまいます。ですから、あまりたくさんエサはやりませんしひなの数も多すぎないようにします。

 ひなは集まって田んぼの中を泳ぎ回り、そのせいで水が茶色ににごります。アイガモは草をぱくぱく食べるというより水をかき回して草が生えにくくしているようです。そのため、ヒトもときどき田んぼに入って草取りをします。このころが一番大変です。

 ひなは2ヶ月もすると大きくなって、かなりイネの間をさわぎます。このころには「ほごえ」といって肥料をやったりするので田んぼから追い出して別の場所に集めます。もうイネも大きくなって田んぼの表面は見えなくなり草も気になりません。

 秋に刈り取りがすむとアイガモとはお別れです。肉・ハムになるのです。田んぼのまわりにはったアミもかたづけて冬を迎えます。

 アイガモのように田んぼの中で水をかき回したり、草を食べたりする生き物にはコイ、フナ、金魚、カブトエビなどがあります。それぞれの農法をやっている人がいます。

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